ーー今回の新刊『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』では、読書会という形式に至ったわけなのですが、どのような経緯でこうなったのでしょうか? 清水:すでに2年前くらいの話になるのですが、驚くことに、当事者の記憶が全部違うんですね。誰が言いだしっぺなのかよく分からないんです。みんなそれぞれ言うこと違ってますもんね。 高野:みんなが押し付けられた、と(笑)。 清水:そう。みんな被害者、全員が被害者なんです。何なんでしょうね(笑)。 高野:ただ直接的には、『ゾミア』という本がありまして、これがすごくインパクトがあったんですね。アジアの山岳地帯に住んでいる人たちは、これまで文明から取り残された人たちだと考えられていたのですが、実はそうではなくて自ら文明を捨てて、国家から逃げて山の中に入っていったという話なんですが、めちゃくちゃ面白かった。 この本があまりにも画期的だったので、清水さんが読