リッチクライアントはインタラクティブな操作が可能で,表現上の演出をする余地が大きい。自由度が高いだけに,利用者はどのようなユーザー・インタフェース(UI)を実現できるかについてのイメージを持ちづらく,「使い勝手に対する要求は,具体的にモノを見ないとほとんど出てこない」(SIベンダーのクオリテック コンサルティング部 シニア・システムエンジニア 藤原誠氏)という。 しかし,いざモノを見ると,一転して利用者のイメージは広がり,あれもこれもと要求が噴出してしまいがち。「リッチクライアントを利用した開発プロジェクトにとって,最大のリスク要因は使い勝手に関する要求の管理」(日立システムアンドサービス 金融ソリューションサービス部 技師 境丈利氏)である。 つまり,リッチクライアント・プロジェクトの成否は,システム構築の上流工程にあるというわけだ。従来のシステム開発よりも,要求管理や要件定義が重要にな