◇30年間、この日を待っていた 【プノンペン藤田悟】カンボジアのポル・ポト政権時代(1975~79年)の大虐殺を裁く特別法廷が17日、首都プノンペン郊外で開廷した。当時の国民の4分の1に当たる170万人の命が奪われたとされる暗黒時代から30年を経て、歴史的残虐行為の真相を究明し、その責任を追及する審理がようやく始まった。 この日の法廷には、約2万人が虐殺されたといわれるプノンペンのトゥールスレン政治犯収容所のカン・ケ・イウ元所長(66)=通称ドッチ=が被告として出廷。証人採用など手続きについての調整がまず行われ本人が発言する機会はなかった。 ニル・ノン裁判長(カンボジア人)は「この法廷は、当時の政権の責任者を公正に裁くための重要な努力を実現するものとなる」と述べ、開廷を宣言した。裁判の模様はテレビで全土に中継された。 法廷では、同収容所内での殺害や拷問について先行審理し、9月ごろに判決とな