トマ・ピケティの弟子「格差はなくせる」 「第2のリーマンショック」は来る、富裕層への増税こそが回避の道だ 2017年に米マイアミで起きた共和党マルコ・ルビオ上院議員に抗議するデモ。同氏が賛成票を投じた減税案で得をするのは富裕層だけだと、参加者は主張した Photo: Joe Raedle / Getty Images
フランス、パリで開催された日本の漫画関連のイベント(2017年) Photo : Nicolas Briquet / SOPA Images / LightRocket / Getty Images フランスの新聞「ル・モンド」が発表「日本の傑作漫画20選」フランスのパリ近郊で7月4日から7日にかけて漫画やアニメなどの日本文化を紹介する欧州最大級イベント「ジャパンエキスポ」が開催された。 はじめは欧州のオタクたちが集まる小さなイベントだった「ジャパンエキスポ」もいまは巨大イベントだ(2018年の来場者数は24万人)。今回で20回目の開催となったことに合わせてフランスの日刊紙「ル・モンド」が「日本の傑作漫画20選」を独自に選んで発表している。 「選考を担当したチームの年齢がわかってしまう少し時代めいたものとなった」傑作選には以下の作品が選ばれている。 『NARUTO─ナルト─』岸本斉史(19
北方領土問題をめぐり対立を深める日本とロシアだが、ソフトパワーでは日本の圧勝だ──。ロシアのティーンエイジャーに熱狂的に支持される日本アニメを軸に、ロシアの若手作家が独自の視点で日ロ関係を論じる。 著者のエレーナ・オジノコワは、ウプイリ・リホイ(不吉な吸血鬼)のペンネームで小説を執筆しており、2018年に発表した風刺小説『スラブのオタク』(未邦訳)がロシアの文学賞「ナショナルベストセラー2019」にノミネートされている。 大手紙「コムソモリスカヤ・プラウダ」に掲載された彼女のエッセイを紹介しよう。 アメリカより日本がイケてる かつてナポレオン率いるフランスの大軍がロシア帝国に攻め入ってきたとき、ロシアの貴族は全員フランス語を話していた。それどころか、当時はファッション、文学、料理や慣習まで、すべてフランス流がまかりとおっていた。つまり、フランス文化はナポレオンよりずっと先に、ロシアを征服し
2017年5月、大物ジャーナリストからレイプされたことを公表した伊藤詩織は、著書『Black Box』で、自らが経験した日本の性暴力をめぐる司法の問題、被害者支援の課題を社会に問うた。 そんな伊藤が、台湾と韓国の性暴力をめぐる法律や被害者支援、啓蒙活動を取材した。日本がお隣から学べることとは──。 一生続く性暴力被害者の悪夢 性暴力──その被害は被害者に長期間の影響を与える。ほかの暴力的犯罪よりもPTSDなどの発症率が高いと言われている。 アメリカ最大級の性暴力相談センター「RAINN」がまとめている統計によれば、アメリカの被害者(女性)の94%が、被害後から2週間以内にPTSDなどを発症している。33%が被害後に自殺を考えたという調査結果などもある。 性暴力がその被害者の人生にもたらす長期的な影響、精神的な後遺症を考えると、被害はそのあとに続く悪夢の始まりでしかないとも言えるだろう。 私
歴史人口学者エマニュエル・トッドは、あの「私はシャルリ」デモを批判する著作が大論争を引き起こして以来、フランスでは発言を控えていた。 だが今回、難民問題、パリ同時テロ、困窮する若者たちの暴発、こういった切迫する危機について、ついに口を開くことを決意。「ロプス」誌の独占インタビューをお届けする。 ドイツが考えていることを直視しないフランス ──私たちは、第二次世界大戦以来、もっとも大きな難民の波に直面しています。すでに欧州は、巨額債務による危機で足元がおぼつかなくなっていました。そこに難民問題が起きたことで、かろうじて欧州を支えている最後の大きな柱まで倒れてしまいそうです。こうした現状について、どのようにお考えでしょうか。 まず強調するべきことは、「フランスにとって『難民危機』とは、実体をともなわない観念的な現象だ」ということです。 この理由はとても単純です。難民たちは私たちの国に来たがらな
エマニュエル・トッド Emmanuel Todd 1951年生まれ。歴史人口学者・家族人類学者。フランス国立人口統計学研究所(INED)に所属。1976年、『最後の転落』(新版の邦訳2013年)で、弱冠25歳にして旧ソ連の崩壊を予言。イラク戦争開始前の02年9月に出版された『帝国以後』(邦訳03年)では米国の金融破綻を予言し、28ヵ国以上で翻訳され、世界的ベストセラーとなった。著書多数。 エマニュエル・トッドは型破りで権威には屈しない、フランス思想界の巨人である。これまで政治や社会の問題にも積極的にかかわり、態度を表明してきた研究者だ。 だが、『シャルリとは誰か?』の刊行以来、メディアに登場することはほとんどなくなった。 ※その間の事情を語った例外的なインタビューはこちら。 フランス最大の知性エマニュエル・トッド独占インタビュー「最も愚かなのは、私たちフランス人だ!」 トッドは2012年の
ナガランドの著名な平和活動家ニケツ・イラル氏(左)の自宅で取材にこたえるサヴィド・ナギ氏 PHOTO: YUI NAKAMURA / THE SASAKAWA PEACE FOUNDATION NHK朝ドラ「ひよっこ」のヒロインの叔父・宗男が凄惨な戦争体験を明かしたことで、じわじわと関心を集めている「戦い」がある。太平洋戦争中、インド北東部で遂行された「インパール作戦」だ。 補給路がないという杜撰な戦略のもと進められたこの作戦は、「太平洋戦争で最も悲惨な戦い」と評され、参戦した日本兵のおよそ9割に当たる約7万8000人が命を落としたと言われている。その主な死因は戦死ではなく餓死だ。敗走路となった現在のアジアハイウェイ1号線にはおびただしい数の遺体が積み重なり、そのいたましい光景から「白骨街道」という名がつけられた。 この激戦は、戦場となったインパールやコヒマの人々にも大きな爪痕を残した。だ
新連載 日本の「侵略」を行く 小原一真 #01 太平洋戦争の始まりは「真珠湾」ではなかった──日本人の知らない「暴力の歴史」を訪ねて 太平洋戦争の始まりは「真珠湾」ではない──その事実に衝撃を受けた筆者は、日本軍の侵略の歴史をたどる旅に出る。 最初の目的地は、真珠湾攻撃の1時間前に日本軍が対英戦争を始めたマレーシアのコタバル。数千人もの兵士たちが死闘を繰り広げた暗い海で、筆者が見たものとは──。世界から注目を浴びる日本の若手写真家・小原一真の新連載! 数千の兵士たちが波に揉まれ、喘いだ場所 深夜1時を回った頃、海岸沿いでタバコをふかしながら談笑していた若者たちの会話が途切れ、ほどなくして、窓から漏れる蛍光灯の光が消えた。 あたりは真っ暗闇となり、打ち寄せる波は見えなくなった。はるか沖合に浮かぶ漁船の明かりは、かすかに空と水平線の境を見分けるのには役立ったが、どこまでが砂浜でどこからが海水な
米オンラインメディア「クオーツ」が、突如として「日本のリベラル派は、共産党へ投票すべきだ」と訴えている。 日本共産党は1922年に地下組織として活動を始めた。G7のなかで全国レベルの共産主義政党があるのは、日本とフランスだけである。 その歴史を紹介する「クオーツ」は、「日本最大の左派政党である民進党が、希望の党に飲み込まれつつあるいま、日本のリベラル派が投票するべきは、日本共産党しかない」と主張するのだ。 同メディアによれば、日本のリベラル派は、改憲を謳い、特定秘密保護法や共謀罪を成立させた安倍晋三首相に失望している。一方、希望の党のカリスマティックな指導者小池百合子は、明確な改憲方針こそ打ち出していないものの、「日本の政治をリセットしたい」「日本憲法は平和主義にのみフォーカスすべきではない」などと述べ、安倍同様に右翼寄りであることをうかがわせている。 共産党はとっくに共産主義革命への情熱
移民はいつまでたっても受け入れないが、抜け道はある。日本の中小工場が長年にわたって外国人労働者を使ってきたのは「技能実習」なる方法だった。しかし、実態は女工哀史そのものの激しい搾取。その実態に、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が迫った。 「中国の月収3倍」に惹かれて来日 リュウ・ホンメイは上海の服飾工場での仕事に飽き飽きしていた。労働時間は長いのに、稼ぎが少なかったからだ。 3年前、その仕事を辞めて日本の岐阜県にある縫製工場で働くことにした。この工場は、中国での月給430ドル(約4万8600円)の3倍出すと約束してくれたのだ。息子が生まれたばかりで、増えた家族のためにも数十万円の貯金ができるだろうと期待していた。 彼女は「絶好のチャンスだと思いました」と振り返る。 「チャンス」ではあったかもしれないが、実はこれは「労働」ではなかった。日本で婦人服にアイロンをかけ、包装していた時間は、法的には
ビジネス班のIでございます。今月発売中の10月号で「日本のみなさん、どうして『脱原発』しないんですか?」という記事を担当しました。 日本でも、政府が行った討論型世論調査で2030年における原子力発電の割合を0%にすることを望む人が46.7%になり(討論前の電話調査では32.6%)、脱原発への機運が高まりつつあることを感じます。 福島の事故後、いち早く脱原発を表明したのはドイツでした。事故を受けてドイツは国内の古い原子力発電所8基の即時停止と、残る9基を2022年までに廃炉にする計画を決定しました。事故の当事者でもないドイツがなぜそのように決められたのでしょうか。今回の記事ではMITテクノロジー・レビュー誌の記事を補足する形で、ドイツ在住のジャーナリスト村上敦さんに寄稿していただきました。 村上さんによると、まずドイツの「脱原発」路線というのは、福島事故の影響で急に決まったものではない
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く