大阪市が、2012年度実施の職員採用試験(大卒程度)から専門知識を問う問題を廃止し、エントリーシート(ES)や論文など「人物重視」に変更したところ、採用者の7割が「法律知識不足」を認識していることが市のアンケートでわかった。制度変更前の旧試験組の2倍で、市は今年実施した来春採用者向けの試験で、論文で法律知識を問う問題を設定した。 「人物重視」の試験は、多様な人材を集めるため、橋下徹市長が導入。13年4月の採用者から教養試験や憲法、行政法などの専門試験を廃止し、ESを導入して論文や面接中心にした。市によると、こうした「人物重視」試験だけで採用を行っているのは、20政令市で大阪市だけという。 しかし、庁内から「法律と条例の違いもわからない」「市と区のすみ分けなど、行政の仕組みが理解できない」などの声が上がり、「法律知識が不足していると、クレーム対応を誤り、訴訟になりかねない」との指摘もあったと