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ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (8)

  • 共感しない方がよりよい結果を得ることができる──『反共感論―社会はいかに判断を誤るか』 - 基本読書

    反共感論―社会はいかに判断を誤るか 作者: ポール・ブルーム,高橋洋出版社/メーカー: 白揚社発売日: 2018/02/02メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見る他者にたいして共感するのはいいことだと思われている。ひどいめにあった人をみて、強く感じ入り、そのつらさを共有する人は、一般的には善良な人だ。より多くの人がもっと他者に共感するようになれば、他者に暴力をふるったりすることもなくなるのではないかという考えもある。”もちろん、共感には利点があるけれども”、しかし全体を通してみると害も大きい。単純化すれば、それが書の主張となる。 私自身も、かつてはそう考えていた。しかし今は違う。もちろん共感には利点がある。美術、小説、スポーツを鑑賞する際には、共感は大いなる悦楽の源泉になる。親密な人間関係においても重要な役割を果たし得る。また、ときには善き行いをするよう私たちを導くこと

    共感しない方がよりよい結果を得ることができる──『反共感論―社会はいかに判断を誤るか』 - 基本読書
    dissonance_83
    dissonance_83 2018/02/04
    共感や感傷は正しい判断決断の邪魔。冷血と言われようが、感情論は徹底的に軽視する。関数に数値を代入して答えを出すように機械的に対応する方がいい。かわいそうだとか感情に支配される社会はディストピア
  • わたしたち人間はなぜ音楽を愛するのか?──『ドビュッシーはワインを美味にするか? 音楽の心理学』 - 基本読書

    ドビュッシーはワインを美味にするか?――音楽の心理学 作者: ジョンパウエル,濱野大道出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/11/07メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る人間は音楽を聞く。通勤、通学のときはもちろん、家でゆっくりしているとき、みんなで盛り上がるとき、つらいことがあったとき、無理矢理にでもテンションを上げたいとき、退屈な作業をしているとき。我々はさまざまなシーン、用途にたいして音楽を聞いているわけだけれども、あらためて考えてみると「果たしてそれはどのように機能しているのか?」「なぜそれは機能するのか?」「音楽にはどれだけの影響力があるのか?」「人間はなぜ音楽を愛するのか?」など不思議なことが数多くある。 わたしたち人間はなぜ音楽を愛するのか? それは音楽を聴くことが、脳に適度な刺激を与え、同時に喜びを与えてくれる最良の方法だからだ。サイエンス

    わたしたち人間はなぜ音楽を愛するのか?──『ドビュッシーはワインを美味にするか? 音楽の心理学』 - 基本読書
    dissonance_83
    dissonance_83 2017/11/18
    楽典を学ぶと本当に音楽の深さを感じることができる。
  • 笑ってしまって読み進まない──『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』 - 基本読書

    鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。 作者: 川上和人,出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2017/04/18メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見る書は一言でいうと鳥類学者による研究生活をつづった鳥エッセイ集なのだが、これがまあ異様におもしろい。鳥類学者として著者がしてきた研究内容、体験談がそのまんまおもしろいのはもちろんだが、それ以上に文体がエキセントリックである。 霧の中に点々と鳥の死体が落ちている。日常生活では、鳥の死体は反物質と対消滅してしまうため目にする機会は少ないが、南硫黄島には反物質がないので消滅しない。それどころか、ネズミやカラスなど死体をべる脊椎動物もおらず、死体はゆっくり分解される。よく見ると、蔓や枝にも死体が引っかかっている。生体よりも死体が好きな私には、天国のような地獄絵図である。多産される死体は豊かな自然の証拠だ。結構

    笑ってしまって読み進まない──『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』 - 基本読書
  • 過小評価されてきた進化──『進化は万能である:人類・テクノロジー・宇宙の未来』 - 基本読書

    進化は万能である:人類・テクノロジー・宇宙の未来 作者: マット・リドレー,大田直子,鍛原多惠子,柴田裕之,吉田三知世出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/09/21メディア: 単行この商品を含むブログ (2件) を見る読み始めた時は、マット・リドレーによるインテリジェント・デザイン(ID)論への過剰な反論、いわばドーキンスの『神は妄想である―宗教との決別』に相当する「それだけ強い言葉を使う必要のある状況なんだろうけど、日読者からするとピンとこないなあ」的ななのかと思っていたのだが、最後まで読むとだいぶ印象が異なる。 進化は私たちの周りのいたるところで起こっている 主張は至極シンプルな、『進化は私たちの周りのいたるところで起こっている』というものだ。ようは「みんな人間が意図的にデザインしたといろんな物事を捉えたがるけど、偶然やそこから結果的に生き残った自然淘汰の力を過小評価

    過小評価されてきた進化──『進化は万能である:人類・テクノロジー・宇宙の未来』 - 基本読書
  • 科学と科学者との地位に関する一つの個人的な哲学──『若き科学者へ』 - 基本読書

    若き科学者へ【新版】 作者: ピーター・B・メダワー,結城浩(解説),鎮目恭夫出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2016/07/21メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見る書は1960年にノーベル生理学・医学賞を受賞したメダワーが書いた「科学者の心得」みたいなだ。人がいうところをそのまま引用すると『書は世界における科学と科学者との地位に関する一つの個人的な「哲学」を具体化している。』、まあつまりは「科学者というものについての個人的な意見です」ということになる。原書刊行は1979年で、日でも1981年に同じくみすず書房から刊行されているが、今回結城浩さんによる解説も付してあらためて現代に出し直されている。 なぜいま1981年に出たを出し直しているのかといえば、昨今の科学プロセス上における不正事件などを受け、「科学的方法論、科学者としての在り方」を見なおそうと

    科学と科学者との地位に関する一つの個人的な哲学──『若き科学者へ』 - 基本読書
  • 行動経済学一代記──『行動経済学の逆襲』 - 基本読書

    行動経済学の逆襲 (ハヤカワ・ノンフィクション) 作者: リチャード・セイラー,遠藤真美出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/07/22メディア: 単行この商品を含むブログを見る『行動経済学の逆襲』という書名から「いつのまにか行動経済学は逆襲が必要なほどに攻撃されていたのか」と思っていたが、中身を読んでみたら「行動経済学が生まれ、無数の反論を受けながらも地道にデータを示し既存の経済学い込んでいく」過程を描いた、いわば行動経済学の一代記であった。 著者は行動経済学の第一人者であるリチャード・セイラー。彼の行った実験の多くが今の行動経済学の基礎となっており、書でもそうした実験の数々が紹介されることになる。読みどころとしてはそうした「行動経済学とは何か」という説明と、今でこそ市民権を得て当たり前の分野となった行動経済学が「反論に対して理詰めで応答することで行動経済学が強くなって

    行動経済学一代記──『行動経済学の逆襲』 - 基本読書
  • 過去の科学者に現代の基準でマジレスする──『科学の発見』 - 基本読書

    科学の発見 作者: スティーヴンワインバーグ,大栗博司,Steven Weinberg,赤根洋子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/05/14メディア: 単行この商品を含むブログを見るこれはまたけっこうヘンテコな──というか、あまりないタイプの科学史ノンフィクションである。たとえば──紀元前、デモクリトスやらタレスやらゼノンやらの時代の人々がいっていた「世界を説明する記述」にたいして「もちろんゼノンの論法は間違っている。」とマジレスしながら科学史を辿り直していく一冊なのだ。 間違っていることなんか現代では誰もが知っているのだから(そしてその一部に真実をかすめている部分があればすげーともなるわけだが)それをわざわざ指摘してどうするんだとこっちがマジレスしたくなるが、これが読んでみるとたしかになんでわざわざそんな野暮なことをやらなければならないのかの意味はよくわかる。 どういうこ

    過去の科学者に現代の基準でマジレスする──『科学の発見』 - 基本読書
  • 知能の高いヤツがバカなことをする理由──『知能のパラドックス』 by サトシ・カナザワ - 基本読書

    知能のパラドックス 作者: サトシ・カナザワ,金井啓太出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2015/07/24メディア: 単行この商品を含むブログを見る「知能のパラドックス」と書名にもなっているとおり(原題はthe intelligence paradox)、知能が高いことが=賢い、素晴らしいことにはならない、知能が高いからこそバカなことをするヤツラが出てくる理屈を提示する一冊で、そのパラドックスはこれから説明していくとわかると思うが、かなり面白い。 知能のパラドックス仮説を正しいとするならば、背の高い人や社交的な人が、そうでない人より価値が高いとか優れていることとは別であるように、知能が高いことも低いこともそうした良いこともあれば悪いこともある単なるステータスの一つとして受け入れられるようになるだろう。ただ、その仮説を補強するように集められているデータとそこからひねり出された理屈

    知能の高いヤツがバカなことをする理由──『知能のパラドックス』 by サトシ・カナザワ - 基本読書
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