映画『愛しき日々よ』より、門田頼命(左)、かたせ梨乃(右) 毎年300本前後の日本映画が公開される中、名作でありながらあまり人に見られる機会のないまま時の彼方に埋もれてしまう作品は数知れない。そしてそんな映画の一つ一つに映画史を彩る物語がある。今回、そんな知られざる名作の一本、保坂延彦監督作品『愛しき日々よ』がアップリンクよりDVD化された。監督の保坂延彦さんにお話を伺う。 もんた&ブラザーズのジャケットを見たときに、こいつだと思った ── 『愛しき日々よ』の公開は1985年、東宝配給ですね。封切り当時の状況は? 『愛しき日々よ』は、東宝の有楽シネマという所で一館だけだったんです。今はない劇場だけど。その隣の隣にね、新しい劇場がオープンするっていうので黒澤さんの『乱』をやっていた。初日が一緒だったと思う。で、初日にね、『乱』はやっぱり並んでるなあって思ってたら、うちの『愛しき日々よ』に並ん