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ブックマーク / hokke-ookami.hatenablog.com (47)

  • 『バーフバリ2 王の凱旋』 - 法華狼の日記

    栄華をきわめたマヒシュマティ王国。その国母シヴァガミに命じられ、先代バーフバリは諸国を漫遊して、次期国王として見聞を広めることとなった。 クンタラ王国についた先代は、女性ながら王族として盗賊退治をおこなうデーヴァセーナに惚れこむ。しかし王位争いで負けたバラーラデーヴァが先手をうち、デーヴァセーナとの婚姻を後押しするようシヴァガミに認めさせた。 マヒシュマティ王国とクンタラ王国は誇りをかけて衝突することとなり、先代とシヴァガミのたがいの誤解も確執を生んでしまう。さらに先代の周囲から仲間が脱落していく。すべてはバラーラデーヴァの策謀だった。 やがて先代が謀殺され、マヒシュマティ王国はバラーラデーヴァに支配された。しかし時をへて、息子バーフバリが、いくつもの試練をかいくぐり、仲間をひきいて進撃してくる…… 『バーフバリ 伝説誕生』の続編にして、完結編として2017年に公開されたインド映画。破格の

    『バーフバリ2 王の凱旋』 - 法華狼の日記
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    dododod 2018/04/15
  • 『ハーモニー』 - 法華狼の日記

    監察官という立場で嗜好品の違法な取引きしていたトァンは、謹慎のため戦地から日へ送還される。そこで女子高生時代の友人キアンに再会。 ふたりはかつて、健康を押しつける社会から逃避するため、心酔していたミァハとともに自殺をこころみて、ふたりだけ生還した仲間だった。 伊藤計劃による長編SF小説を、ノイタミナのProject Itoh企画において2015年にアニメ映画化。なかむらたかし監督とマイケル・アリアス監督がSTUDIO4℃で制作した。 原作は以前に読んだが、もっとインナースペースSFらしさを期待していたため、やや面らったおぼえがある。それでもベタな管理社会への反乱に見せてのどんでん返しには感心した。 『ハーモニー』伊藤計劃著 - 法華狼の日記 そしてアニメ版だが、原作既読者から不評らしいと聞いていたが、これはこれで特に悪い作品とは思わなかった。設定説明に追われることなく、約2時間に要点を

    『ハーモニー』 - 法華狼の日記
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    dododod 2017/12/13
  • 『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』/『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』 - 法華狼の日記

    おそらくは未来の日。巨人が襲ってくるという伝説をおそれて、巨大な壁をつくって生活している人々がいた。 エレンという少年は、その壁にはばまれた状況に不満をいだいていたが、そこに巨人があらわれて壁を破壊する…… 人気漫画を原作に、2015年夏に公開された実写映画の前後編。監督は樋口真嗣、脚は町山智浩と渡辺雄介。原作は部分的につまみ読みしたが、全体を見たのはTVアニメ1期だけ。 TVアニメ「進撃の巨人」公式サイト 感想を簡単にいうと、まず特撮は邦画としては相当のクオリティだが、期待よりは悪かった。宣伝で合成が露骨だった立体機動は映画の流れで見ると悪くないが、デジタル合成を駆使して作りあげた世界ともどもゲームのよう。遠景までかすまずにピントがあうことも、悪い意味でCG感が強い。平成『ガメラ』三部作の特技監督として空気遠近法をとりいれた演出家の仕事とは思えない。どこからどこまでミニチュアを使った

    『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』/『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』 - 法華狼の日記
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    dododod 2016/12/13
  • 『君の名は。』 - 法華狼の日記

    山奥の神社で巫女の立場をつぎながら、普通に高校にもかよっている少女、宮水三葉。 東京で高校にかよいながらオシャレなレストランでアルバイトをしている少年、立花瀧。 いつのころからか、ふたりが眠りにつくと、不定期に体と心が入れかわるようになった。 たがいの立場を夢うつつに記憶しながら、ふたりは彗星が降る夜をむかえる…… 2016年8月に公開された、新海誠監督によるオリジナルストーリーの最新作。小説『おれがあいつであいつがおれで』を思わせる古典的な設定を、距離のある男女をむすびつける展開へ応用した。 映画『君の名は。』公式サイト 大ヒットしていると聞くが、CMなどで一般向け露出を重ねてきた映像世界に、シンプルなラブコメディとディザスタームービーを重ねることで、うまく観客の心をつかんだということか。その恩恵にあずかり、たまたま格安で鑑賞することができた。 このジャンル作品らしく性的に肉体をたしかめ

    『君の名は。』 - 法華狼の日記
  • アニメ業界を題材にした漫画2作品、花村ヤソ『アニメタ!』、なつみん『おつかれ背景さん』 - 法華狼の日記

    まずは『モーニング・ツー』で連載している新人アニメーターの業界奮闘記。 アニメタ! / 花村ヤソ - モーニング公式サイト - モアイ 複数の制作ラインをもつ大手会社に、狭き門をとおって就職できた少女の物語。ドラマが駆動してきたのはライバルの少女がピックアップされる2巻から。 アニメタ!(2) (モーニングコミックス) 作者: 花村ヤソ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/05/23メディア: Kindle版この商品を含むブログ (3件) を見る ライバルは漫画家の親をもち、その2世として注目される。読み返すと第1話から存在が言及されているが、現場の職人はコネクションでねじこまれたことを嫌がり、絵は巧いが仕事になるかは未定と評されている。環境に助けられ、もしくは強いられた努力型のキャラクターだ。 それでもライバルの少女は順調にステップアップをつづける。ライバルが努力型として先行して

    アニメ業界を題材にした漫画2作品、花村ヤソ『アニメタ!』、なつみん『おつかれ背景さん』 - 法華狼の日記
  • 『フロム・ヘル』 - 法華狼の日記

    アラン・ムーア原作、エディ・キャンベル作画、柳下毅一郎翻訳のグラフィックノベル。切り裂きジャックを題材にして、時空を超えて虚構と現実が重なりあうさまを見せていく。 『フロム・ヘル』 | トピックス : みすず書房 作が再現を試みているのは、新世紀に蹴破られる寸前の腐りきった扉、ヴィクトリア朝末期の社会全体の縮図。スラム街の娼婦から女王まで、すべての階層に腐敗と不安が充満するロンドンの陰惨な情景が、読む者の目に焼きつけられる。 2001年に映画化もされている。先に見ていたが、そちらはシンプルな歴史ミステリとして完成されていた。切り裂きジャック事件を解明しようとするアバーライン警部を主人公にして、VFXで再現されたロンドンの街を探索する。手垢のついた題材ということもあって意外性は低いが、ミステリらしい犯人像を提示できていた。 一方、1999年に単行としてまとまった原作漫画は早々に真犯人を明

    『フロム・ヘル』 - 法華狼の日記
  • 『ハーモニー』『虐殺器官』を批判する匿名記事を読んでいて気づいたこと - 法華狼の日記

    下記の匿名で書かれた批判文が注目を集めていた。 王様は裸だ! と叫ぶ勇気 ~伊藤計劃『ハーモニー』の崩壊~ 今回は、自分の名前を出して発言するのはあまりにリスクが大きいと判断して、不意ながらこういう形を取らせてもらった。実は匿名で書くことにすら尻込みを感じている。 なぜなら僕が今から批判しようとしているのは熱狂的なファンを多くもつ作家――伊藤計劃氏の作品だからだ。 始めて読んだ氏の作品は、『虐殺器官』だった。新人のデビュー作ながらその年の、SFが読みたい! の1位を取ったというので、期待をもって読み始めたのだ。 しかし、あまり感心しなかった。なぜなら作中のメインアイデアである「虐殺の文法」というものが、言語SFの歴史の中ではさほど捻ったものではなく、更に2005年に別の日人作家が発表した短編とも酷似している。 僕は『ハーモニー』のアイデアも独創的だとは思わない。 ユートピアを追求したら

    『ハーモニー』『虐殺器官』を批判する匿名記事を読んでいて気づいたこと - 法華狼の日記
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    dododod 2015/10/25
  • 『言の葉の庭』 - 法華狼の日記

    新海誠監督による、2013年に公開された46分の中編アニメ。雨降る公園の一角で出会いをかさねる女性と青年、その短い時間を切りとる。 言の葉の庭 今回も最後まで閉じた世界の物語だが、中心となる舞台からして意図的にせまく切りとっているとわかる。そして公園での幻想的な出会いが、外の世界で意外な連結をすることが物語のポイントとなっている。 大仰な時間と空間を舞台にした過去作品とちがって、うまく作家として視界をコントロールできていると感じた*1。 キャラクタードラマとしても、同じように現代日を舞台とした中編『秒速5センチメートル』より、ずっと見やすかった。キャラクターとの距離感が大人と子供とでアンバランスだった長編『星を追う子ども』*2と比べて、ぐっと適切になっている。 傷ついた大人の女性と、まっすぐでも心の幼い学生という構図が良かったのだろう。どちらも現在の新海監督から遠いキャラクターだろうし、

    『言の葉の庭』 - 法華狼の日記
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    dododod 2015/10/13
  • 『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』と植民地支配の娯楽性 - 法華狼の日記

    なぜ異世界を日領土としてあつかうのかと、[twitter:@ka_ma_ta]氏のツイートから[twitter:@srpglove]氏が疑問を発していた。 物語の方向性を見るかぎり、srpglove氏の解釈とは異なる理由で「建前」があるように思われる。 以前から日が持っているとされる個別的自衛権でも、異世界からの侵攻に対する防衛戦は可能ではある*1。しかし現代では侵略された国家が単独で防衛戦をすることは難しい*2。そうなると日が異世界からえた権益を、ともに戦った国とわけあう必要が出てくる。いってみれば第一次世界大戦で日がしたことを、今度は他国にやられるかたちになる。 つまり日が単独で防衛戦をして、単独で特地を植民地化するために、異世界は日領土なのだと「強弁」したと考えるべきだろう。自国内の犯罪者ならば、とりあえず国際条約より国内法を優先させやすい。もちろん、そのような強弁が国際

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    dododod 2015/08/18
  • 『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』 - 法華狼の日記

    ニューイヤーライブの成功後、着々とステップアップをつづける765プロのアイドルたち。 アリーナライブを目標に、候補生をバックダンサーとして、ともに夏合宿をおこなう。 そんなかれらには、ステップアップのための別れが待ちうけていた…… 2011年に放映されたTVアニメの後日談として、2014年に公開された劇場版。121分という長尺で、キャラクターのプロモーションを展開している。 劇場版『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』公式サイト もともと原作ゲームを超えてファンコミュニティがふくらんだ作品であり、そのキャラクターイメージをそこなわない最大公約数を目指すように2011年にTVアニメ化された。キャラクターを固定したまま強いストレスをかけず、それでもアイドルになろうとするドラマを盛りあげようとしたことは、すごい仕事ではあったと思っている。 同じスタッフによるこの劇場版も

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    dododod 2015/08/17
    ”ビジネスらしくない原因”
  • 『ストライクウィッチーズ劇場版』 - 法華狼の日記

    結論から感想をいうと、戦争を描かなかった娯楽作品が、歴史を語ることすら放棄してしまった。娯楽としての今後を不安にさせるほどに。 もともとは第二次世界大戦の空戦王を魔法少女化したイラスト企画。そのTVアニメ2期からの直接の続編として、2012年に公開された。TVアニメ3期が告知*1されたのを機会に、ようやく視聴した。 ストライクウィッチーズ劇場版 謎の敵ネウロイから侵攻されつづけている世界。ネウロイとの激戦をへて、主人公は空を飛んで戦う力を失っていた。隊の仲間も別々の地域に離れてしまった。しかしネウロイの新種による攻撃が激しくなり、隊の仲間たちが再び集っていきながら、主人公も再起していく。そのような物語を1時間37分の長さで、シンプルにまとめている。 映像面では、美少女アクションとして安定していたAIC制作の延長で、やや危なっかしさはあったが全体を整えていた。個人的には、きわめて上下差の激し

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    dododod 2015/06/13
  • 『まおゆう魔王勇者』を読んでも、上手に作者が節税できそうな気はしなかった - 法華狼の日記

    なんとなく言及しなければいけないような気がして。 下記記事の全文では名や年齢が公表され、他の報道では法人の入っている住居や、風貌も報じられている。 http://www.asahi.com/articles/ASH48538QH48UTIL01J.html 橙乃社長は2011年4月、自身の著作権管理会社を設立。大手出版社などと契約し、印税収入や講演料を得ていたが、14年3月期までの3年間に約1億2千万円の法人所得を申告せず、法人税約3千万円を免れた疑いがある。所得のうち約1億円は会社名義の口座に預金していたという。 「まおゆう魔王勇者」は、魔王と勇者が協力して経済を立て直し、戦争を終結させようとする内容の小説。主人公の魔王は経済学に詳しく、税の仕組みや税務官の仕事も解説し、登場するキャラクターは「税の処理は複雑」などと語っていた。 現実と虚構の符合や皮肉を読者が面白がるくらいは自由かもし

    『まおゆう魔王勇者』を読んでも、上手に作者が節税できそうな気はしなかった - 法華狼の日記
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    dododod 2015/04/15
    ”広範な知識を駆使して世界観を緻密に構築していくのではなく、あくまでインターネットで読者の反応にあわせて描写をつぎたし”
  • 「最近のラノベ」を理解したい人へ薦める、単巻で完結する10冊 - 法華狼の日記

    「ハーレムでもなく、主人公最強でもなく、主人公マンセーでもなく、オタク主人公でもなく、パロディ無し」*1という条件を、「最近のラノベっぽくなくて面白い最近のラノベ」の要件として示したツイートが話題になっていた。そのツイートを中心として、下記エントリで批判されている。 http://d.hatena.ne.jp/srpglove/20150203/p1 あまり最近の作品は追えていないのだが、だからこそ私も「最近のラノベ」という概念に違和感を持っている。 そこで異なる角度から、具体的な作品をあげつつ検討したい。「ライト」な読みやすさを重視して選んだので、追っている作品でも『ニーナとうさぎと魔法の戦車』『シュピーゲル』のようなシリーズ物は意図して外した*2。 また、作品紹介には軽いネタバレもふくんでいる。 9.『七花、時跳び! Time - Travel at the After School』

    「最近のラノベ」を理解したい人へ薦める、単巻で完結する10冊 - 法華狼の日記
  • アニメ映画ベストテン〜映画限定〜 - 法華狼の日記

    ほとんど実写を見ないこともあって例年はアニメしばりで参加してきた。今年はアニメ映画から選ぶので、映画しばりで参加する。 2014-10-31 かつて押井守監督は「すべての映画はアニメになる」といった。そもそも映画は静止画のつらなりで動きを表現している以上、「すべての映画はアニメである」ともいえる。 スクリーンに映る全ての素材が虚構であること、それを全て制作者が制御していること。それを自明に感じさせるアニメという表現を象徴する、代表的な作品を選んだ。 1.『千年女優』(2002年、今 敏監督)とある老女優へインタビューする、ふたりのドキュメンタリスト。嘘か真かわからない老女優の語りに乗せて、日映画のかけぬけた時代を描きだす。 アニメという映像表現は、現実の引用も架空の情景も、あらゆる描写を同列でそろえることができる。階層ごとに別けた素材を撮影する手法が、合成を使うまでもなく一般的におこな

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    dododod 2014/12/16
  • 『マルドゥック・スクランブル 圧縮』 - 法華狼の日記

    持たざる少女バロットは、娼婦としてシェルという美男子の客となる。しかしシェルは、ある種の治療と実益をかねて娼婦と無理心中をはかっては、記憶を更新して自分だけ生まれ変わろうとする異常者だった。 全身を焼かれたバロットは生体兵器ウフコックと狂的科学者イースターに助けられ、人工皮膚をもつ超人へと生まれ変わる。そしてバロットは、シェルの悪事を追及する証人として、生きて戦う道を示される。 冲方丁『マルドゥック・スクランブル』3部作の第1部を、2010年にGoHands制作でアニメ化した。監督は工藤進で、脚は原作者自身。原作は初回版のみ既読。 マルドゥック・スクランブル 圧縮 映像ソフトで約70分の全長版を視聴。それでも文庫1冊をよく収めたものだという。もともと原作者が脚第1稿をあげた時はアニメにしやすく改変していたがが、原作から外れないようアニメスタッフ側からたのまれて、全体を少しずつ削る方針

    『マルドゥック・スクランブル 圧縮』 - 法華狼の日記
  • “最近のラノベ”として、冲方丁の『シュピーゲル』シリーズが出てこない謎 - 法華狼の日記

    以前から“最近のラノベ”として一部作品の画像がインターネットに出まわっている。標的にされているのは、文字遊びを多用したり、イラストと連動したり、タイポグラフィを活用した演出。それらが小説ではないとして批判されている。 なぜ文章ではない表現を使えば小説でなくなるのか、そもそも一般的な小説でないことは悪いのか、そうした当然の反論もされている。そこで一般的にライトノベルとはみなされていない作品、たとえば『虎よ、虎よ!』を前例として示している場面もよくみる。 http://d.hatena.ne.jp/srpglove/20140806/p1 その論争の筋とは違うところで、不思議に思っていることがある。槍玉にあげられる“最近のラノベ”に、なぜ『シュピーゲル』シリーズが出てこないのか。 「オイレンシュピーゲル壱 Black&Red&White」立ち読み シリーズのはじまりは2004年に雑誌掲載され

    “最近のラノベ”として、冲方丁の『シュピーゲル』シリーズが出てこない謎 - 法華狼の日記
  • 『THE END OF EVANGELION 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』の結末で、なぜ少女は「気持ち悪い」といったのか - 法華狼の日記

    8月25日に日テレビの「映画天国」で放映予定の、映画としてリメイクされた『新世紀エヴァンゲリオン』の最終回。 映画天国 人々がSF的に融合し、狂騒的な心情を吐露していった果て。 主人公の少年は、たがいに壁をもつ個別の人間として生きることを選ぶ。 他に誰もいない海辺で横たわる、少年と少女。 少年シンジは、なぜか隣にいた少女アスカの首をしめる。 シンジの行動を止めたアスカは、泣いている相手を見て、つきはなすように「気持ち悪い」という。 この結末は、当時からさまざまな憶測をよんでいた。しかし最近に見返したところ、シンプルに冒頭と対になっていると考えればいいように思えた。 映画の冒頭でも、周辺の状況こそ違えど、シンジの目前でアスカが横たわっている。シンジがすがりついて引きはがそうとすると、裸体がさらけだされる。その姿に息を飲んだシンジは、衝動的に自慰をおこない、「最低だ、俺って」とつぶやく。 そ

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    dododod 2014/08/24
  • 『キック・アス』 - 法華狼の日記

    とあるコミックオタクの高校生がいた。彼はオタク仲間とつるみながらヒーローになることを夢想し、こっそりコスプレして街の自警団活動を始める。 一方、アメコミヒーローと自らを同化させて戦闘訓練にあけくれる父娘がいた。ふたりは悪人を処刑する過程で、コスプレ高校生を結果的に救ってしまう。 現実のヒーローのようにもてはやされるようになったコスプレ高校生と、彼によって被害を受けていると勘違いする犯罪組織、その犯罪組織への復讐に燃える父娘の争いが、思わぬ方向へ転がっていく。 2010年の、ジャンルパロディ的なアメコミヒーロー物。原作は未読で、映画と主人公の結末が違うという情報だけ知っていた。 父娘の活躍、特に小柄なヒットガールの敏捷なアクションは前評判どおり素晴らしい。超常能力こそなくても『バットマン』くらいの超技術が出てくるかと思ったが、基的に身体能力と既存の武器を組みあわせて戦う。 ヒーローパロディ

    『キック・アス』 - 法華狼の日記
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    dododod 2014/08/19
  • 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』 - 法華狼の日記

    2012年11月に公開された、4部作予定の第3部。特に心動かされることはなかったが、『新劇場版』では最も良かった。 108分だった『破』に対して『Q』は95分と短めで、そのため『巨神兵東京に現る』*1と同時上映だったのだろうか。もっとも『序』も98分なので、大差はないのだが。 これまではTV版のシークエンスを時系列通りに再構成していたが、今回は状況も展開もほとんど新作。しいていえば第24話を長編映画におさまるよう大胆に改変したといったところか。 それなりに主人公の行動が意味をなした前作を台無しにする導入で、『エイリアン3』を思い出す。しかし、わざわざ新規に作った意味が見いだせなかった『序』や、とってつけたような見せ場が不連続におとずれた『破』に比べて、ひとつの映画としてまとまっていた。挿入歌が主張していた『破』に比べて音楽関係に違和感がないことも、まとまってた印象を生んでいる。 『ヱヴァン

    『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』 - 法華狼の日記
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    dododod 2014/07/04
    ”わざわざ新規に作った意味が見いだせなかった『序』や、とってつけたような見せ場が不連続におとずれた『破』に比べて、ひとつの映画としてまとまっていた。”
  • 『健全ロボ ダイミダラー』構成の感想 - 法華狼の日記

    エロスをエネルギーにして動くロボットという設定だが、同期の『キャプテン・アース』に比べて頭の悪さと反動ぶりが際立っていた。怪獣映画を思わせる構図や情景の多用も、意図的な古臭さを感じたもの。 しかしチャクラを持ち出して人型であることの必然性を説明したり、ペンギンとニンゲンの関係をエネルギー設定で説明したりと、奇妙にSFっぽいつじつまあわせをしていることには感心した。 「健全」という言葉のあつかいについても、エロスを屁理屈で肯定しているだけのようでいて、敵対する人物との口喧嘩が同レベルという目くばせは悪くなかった。利己的な行動まで全肯定しているわけではないというエクスキューズのようなもの。 そして迎えた最終回、バラード調の主題歌にあわせてEDクレジットが流れる中、あわただしく敵対組織のSF設定が開示され、世界から去っていく。 原作が連載中でも、きちんとTVアニメだけで完結させようとする誠実さを

    『健全ロボ ダイミダラー』構成の感想 - 法華狼の日記