ブックマーク / eulabourlaw.cocolog-nifty.com (272)

  • ミドルスキル労働者の非正規化と正社員のロースキル化 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    過去30年間に進行し、私も含めていろいろと議論されてきた労働力の非正規化の一つの解釈として、それまでは企業メンバーシップに包摂されていたミドルスキル労働者が非正規化していったというのがあるわけですが、その一つの例証のような記事が、noteに載っていました。「やま」さんという方の吐露です。 https://note.com/yama0117/n/n39d6666beb0b ○事務派遣時代 私は3年半ぐらい生産管理の事務派遣をしていた。 生産計画を立て日々の進捗を確認してやる仕事。 一品毎に仕様が違う部分があるので設計にフォローを入れて特殊品がある場合は先に購買に情報を流し、更には営業が入れた納期が当かの確認を行い、生産進捗を行うというまあ後から分かったけどかなり大変な生産管理を経験した。 正社員と同じで担当ラインを持ち、そこを任されるという形。 はっきり言って正社員の方々より上手くやれてい

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  • 中小企業の雇用システムについて@愛知県経営者協会『日本企業に「ジョブ型」は馴染むのか?』 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    愛知県経営者協会の研究委員会報告書『日企業に「ジョブ型」は馴染むのか?』が届きました。この「第5章 有識者からの寄稿」というコーナーに、「中小企業の雇用システムについて、報告書第1章・第2章を読んでの所感」という小文を寄稿しました。 私が2021年9月に『ジョブ型雇用社会とは何か』(岩波新書)を刊行したとき、その主たる対象読者は、大企業部門の典型的な日型雇用システムの中にあって、なにやら柔軟で生産性が高いと評判の目新しい「ジョブ型」とやらに興味が惹かれている人々であった。あちこちから「目から鱗」との評をいただけたのは、その狙いが当たったことを示しているのであろう。そう、欧米で実際に動いている当のジョブ型は古くさくて硬直的であり、それゆえにこそ過度に柔軟化してしまった日の組織の有り様の歪みを見直す清涼剤たり得るのだが、そこのところの認識が世のジョブ型論者は全くひっくり返っているのであ

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  • フルシチョフのひ孫娘のプーチン論 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    ソーシャル・ヨーロッパに、「The origins of Putin’s totalitarianism(プーチンの全体主義の起源)」というエッセイが載っていて、 https://socialeurope.eu/the-origins-of-putins-totalitarianism In late 1999, as the frail Boris Yeltsin searched for a successor among the ranks of the security services, a bleak joke circulated in Russia. ‘Why are communists better than the KGB?’ went the setup. ‘Because the communists will scold you, but the KGB wil

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  • 左翼の名残というより正義への冷笑? - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    今回のロシアによるウクライナ侵略に対して、なぜか極東の日で侵略者のロシアを擁護し、被侵略者のウクライナを非難したり揶揄したりする論者が結構湧いてくるのはなぜなのか。 一見、かつての左翼のアメリカといえば悪玉、ソ連や中国といえば善玉という冷戦時代のイデオロギー的信念が硬直的に固定化し化石化したものが露呈しているだけのようにも見える。そして、例えば消滅寸前の社民党の機関紙でプーチン擁護論をぶった社説の筆者の場合のように、そういう面もまだ間違いなくあるのだろう。 でも、それが今の日で、ロシア擁護論というよりはむしろ専ら抗戦するウクライナを「無駄な抵抗しやがって、この馬鹿が」とけなしつけるたぐいの議論が他の先進諸国と比べて異様にたくさん湧いてきている理由をうまく説明できるようにも思われまい。 そういう議論、というかむしろ「気分」の源泉は、過去数十年にもわたって日社会の隅々に広まってきたように

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  • 【GoTo書店!!わたしの一冊】ショシャナ・ズボフ『監視資本主義』 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    『労働新聞』にかわるがわる月1回のペースで連載している【GoTo書店!!わたしの一冊】ですが、今回私が取り上げたのはショシャナ・ズボフの『監視資主義』(東洋経済新報社)です。 https://www.rodo.co.jp/column/112340/ 今日、私たちはグーグル、アップル、アマゾンなどのプラットフォームを使うことなく、1日たりとも過ごすことはできなくなっている。これらはとても便利だ。だが、私たちがこれらを使うたびに、その情報が蓄積され、加工され、利用されている。 これらの側からみれば、私たちは便利さという餌に引き寄せられてきた原材料に過ぎない。検索したり、確認したり、購入したり、というクリック行動から抽出された「行動余剰」が、これらの営利の元になる。生産過程における剰余価値の搾取に産業資主義の質を見出したマルクスに対し、ズボフは21世紀にGAFAが作り出した新たな資主義

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  • ちっぽけでかわいそうな私の国症候群 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    クーリエ・ジャポンにトマ・ピケティのインタビューが載ってて、 https://courrier.jp/news/archives/254975/(ピケティさん、「奴隷制」に関心を持ったのは何がきっかけですか?) 話のメインストリームではないんですが、思わず目を惹き付けられたのはこの台詞でした。 ・・・私は1971年生まれですが、その頃の子供たちが抱くフランスという国のイメージは、アステリクスとオベリクス(フランスの有名なコミックシリーズの登場人物)の国でした。要するに、強大な帝国(ローマ帝国やドイツの第三帝国、あるいは冷戦の二大国など)につねに脅かされてきた小国というイメージです。 どこの国も侵略したことがなく、どこの国も支配したことがない国という印象がありました。私自身がそうだったのですが、学校の勉強をしているだけでは、フランスの植民地帝国の歴史について、その横を素通りしてしまうところが

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  • インターンシップ抜きにいきなり大臣でOJT - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    昨晩、NHKのBSで渡辺恒雄インタビューの第2弾、平成編が放送されました。世間では裏番組のサッカーを見ている人の方が圧倒的に多かったでしょうが、こちらも大変面白い番組になっていました。 https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/episode/te/Q7Y5K7NZ24/ 70年にわたり日政治を見続けた読売新聞グループのトップ・渡辺恒雄氏への独占インタビュー。後編の「平成編」は、渡辺氏の証言から平成という時代の実像に迫る。 読売新聞グループのトップ、渡辺恒雄氏への独占インタビュー番組の第二弾。「平成編」となる今回は、読売新聞社長、巨人軍オーナーとして、平成の日社会に深く関わった渡辺氏が、その舞台裏を赤裸々に証言。自自連立、大連立など自ら深く関わった政局、巨人軍オーナーとしての発言の真相、自身の戦争体験に根ざした歴史認識。渡辺氏の独占告白から、平成

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  • エッセンシャルワーカーへのいやがらせ - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    7月9日、JILPTが「新型コロナウイルス感染症の感染拡大下における労働者の働き方の実態に関する調査」という記者発表をしていますが、これはいわゆるエッセンシャルワーカーに関わる労働問題の調査結果です。 https://www.jil.go.jp/press/documents/20210709.pdf ―新型コロナ感染拡大下で「業務の継続を求められている分野の労働者(いわゆる、エッセンシャルワーカー)」において、職場で感染リスクを感じた労働者は、「医療業」で 8割弱、「社会保険・社会福祉・介護事業」で 7 割強、「生活関連サービス業」で 7 割弱― ―いやがらせ、誹謗中傷などの迷惑行為を受けた労働者は、「医療業」「生活関連サービス業」でともに 7.4%、「社会保険・社会福祉・介護事業」で 5.4%と相対的に高い- いろいろと興味深い結果が出ていますが、ここではやはりいやがらせ・誹謗中傷など

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  • セレブバイトと派遣法 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    なにやら主婦の通訳がセレブバイトだったとかいう話が炎上しているようですが、実のところ、1985年に労働者派遣法ができた時に、相当程度虚構でありながら表面的に「専門業務」のポジティブリストだと言ってごまかしていた時の素材の一つが、この通訳とか秘書といったいかにも女性職っぽい専門職であったのですね。そして、表面のロジックでは専門職だから派遣でいいのだという議論の裏に、暗黙の裡に家計補助的な女性の仕事だから派遣でいいのだという隠れたロジックが潜んでいて、同じ年に男女均等法ができて女性の活躍という雰囲気がごくごくわずかながらちらりと顔を出しながら社会の大勢はなおほぼ完全に女性の役割はアシスタント役という風潮がどっぷりあるという時代の感覚の中で、何となくみんなを納得させていたわけです。 もちろん、当時も派遣の大部分は一般事務の普通のOLだったのであって、それをファイリングという職業分類表にもない専門

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  • 中国の左翼は日本の右翼または張博樹『新全体主義の思想史』 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    アメリカバイデン政権になって、米中対立が格的に専制対民主の対立になりつつある今、前から気になっていながらそのままになっていた張博樹『新全体主義の思想史』を通読しました。 https://www.hakusuisha.co.jp/book/b452526.html 習近平体制を「新全体主義」ととらえ、六四以後の現代中国を壮大なスケールで描く知識社会学の記念碑的著作。天安門事件30年を悼む 著者の張博樹さんは、中国社会科学研究院を解雇され、コロンビア大学で現代中国を講じている言葉の正確な意味でのリベラル中国知識人ですが、そのリベラル派から新左派、毛左派、紅二代、ネオナショナリズムに至るまで、現代中国の9大思潮を、時にはそのインチキなロジックを赤裸々に分析しながら描き出した大著です。 著者を含むリベラル派については、訳者の石井知章、及川淳子さんらによる紹介がされていますし、妙にポストモダン

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  • 麒麟も老いては・・・ - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    文春オンラインに伊藤隆氏のインタビュー(インタビュワー:辻田 真佐憲)が載っていて、あの(!)伊藤隆がこんなそこらのネトウヨじじいみたいなことばかり口走るようになったのか、といささか感慨深いものがありました。 https://bunshun.jp/articles/-/44645 というのも、彼の出世作ともいうべき伊藤隆『大正期「革新」派の成立』(塙書房、1978年)は、私にとっては近代日史を理解する基枠組みを与えてくれたであり、実を言えば私の『日の労働法政策』第1章で示している歴史観は、少なくともその戦前から戦中、戦争直後にかけての時代認識は、このによるインスピレーションを元に、ミクロな一つ一つの事実を積み上げて作り上げたものだからです。 おそらく今の若い人にとって伊藤隆という名前は「つくる会」の右翼じいさんというくらいの印象しかないかもしれませんが、それこそ当の意味で平板な

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  • 法学こそ価値判断まみれのはずなんだが・・・ - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    恐らくこういうのが世間一般の印象なのではないかと思うのですが、 https://twitter.com/labourstandards/status/1359120602225803270 人文学や政治哲学に違和感を抱くのは、例えば「リベラリズム=良い」とか「でもこんな悪いところもある」とか「ナチズムは悪い」「でも我々の中にも潜んでいる」とか何故か価値判断を一々挟んでいるところ。法学にはあまりそれを感じない。 でもね、それこそいろんな学問の入門書の基礎の基礎のところをちらりとでも読めばすぐわかるように、法学、少なくともその主流である法解釈学こそが、徹頭徹尾価値判断を追求している学問であり、それゆえに法解釈学は科学ではなく、傍流の法社会学が「科学としての法律学」を訴えるということになるわけだし、その対極に位置すると考えられている政治学とか経済学とか社会学といったいわゆる社会科学というのは、そ

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  • 「司法より当事者間の交渉で」というけれど・・・ - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    日の日経に大内伸哉さんが「同一労働同一賃金どう進める 司法より当事者間の交渉で」を書いています。ここで言われていることは、昨日の休業手当の話とも共通する問題です。 https://www.nikkei.com/article/DGXKZO66084900R11C20A1KE8000/ 大内さんの主張には実は相当程度賛成なのです。私もその旨を繰り返し述べてきたこともあります。 ・・・法は企業に、不合理な格差を設けることを禁じているが、具体的にどうすれば法を守ったことになるかを明確に示していない。・・・ ・・・こうした状況下では不合理性を軸としている限り、スムーズな労使交渉は期待できない。この問題の解決に必要なのは、企業が非正社員に対し納得できるような労働条件を提示した上で、非正社員の同意を得ている場合には、その結果を尊重する(不合理とは評価しない)という解釈を確立することだ。・・・ しかし

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  • 電通の社員個人事業主化 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    日経が報じていますが、 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66103760R11C20A1916M00/ 電通は一部の正社員を業務委託契約に切り替え、「個人事業主」として働いてもらう制度を始める。まずは2021年1月から全体の3%に相当する約230人を切り替える。電通では副業を禁止しているが、新制度の適用を受けると兼業や起業が可能になる。他社での仕事を通じて得られたアイデアなどを新規事業の創出に生かしてもらう考えだ。・・・ いやいや、別に雇用だと副業を禁止しなければならないわけじゃない。むしろ政府が雇用の副業を鉦や太鼓で奨励しているんだけど、電通はあくまで雇用なら副業は禁止で、「だから」個人事業主にするんだと。なんだか筋がねじれているような。 いやたぶん、副業奨励と言いながら、先日策定されたガイドラインでは、簡便なやり方だと言いながら、結局労働時間も

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  • さすがに藤田孝典氏に団交応諾義務はないと思うが・・・ - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    フリーター全般労働組合/キャバクラユニオンが藤田孝典氏に団体交渉を申し入れたそうですが、 http://freeter-union.org/2020/09/16/%e8%97%a4%e7%94%b0%e5%ad%9d%e5%85%b8%e3%81%95%e3%82%93%e3%81%ab%e5%9b%a3%e4%bd%93%e4%ba%a4%e6%b8%89%e3%82%92%e7%94%b3%e3%81%97%e5%85%a5%e3%82%8c%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f/ フリーター全般労働組合/キャバクラユニオンは、こ反貧困ネットワーク埼玉代表・特定非営利活動法人ほっとプラス理事である、藤田孝典さんに、性風俗労働者の労働環境などについて話し合いを求める、団体交渉の申し入れを発送しました。 藤田さんは、この間、反貧困に「取り組む」立場でありながら、性産業労働者

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  • 首都圏青年ユニオン連合会はまっとうな労働組合に非ず@東京都労委 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    昨日、東京都労委はグランティア事件という不当労働行為救済申し立て事案について、却下するという決定を下しましたが、その理由を見ると、そもそも申し立て組合つまり首都圏青年ユニオン連合会はまっとうな労働組合じゃないと一刀両断されていて、私の知る限りこういうケースって初めてなんじゃないでしょうか。 https://www.toroui.metro.tokyo.lg.jp/image/2020/meirei30-76.html 3 決定の概要 <却下> 当委員会が申立人組合の資格審査を行った結果、資格審査「決定書」のとおり、申立人組合は労働組合法第2条及び第5条第2項の規定に適合しない。したがって、組合が労働組合法上の救済を受ける資格を有するものと認められないので、件申立てを却下する。 4 資格審査「決定書」の概要 <不適合> ⑴ 組合においては、役員以外の一般の組合員に組合の「すべての問題に参与

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  • ジョブ型とメンバーシップ型の能力開発費 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    私が作ったはずの「ジョブ型」という言葉があまりにも世間で乱舞しすぎて収拾がつかなくなりつつありますが、明らかに変な使い方もあれば、認識自体は正しいけれどもあまりにも価値判断が行き過ぎていたり、理解が浅すぎたりするのもあり、いちいち言うのもしんどい限りですが、一つ目についたのが日企業の能力開発費の少なさの問題を取り上げたもので、ジョブ型とメンバーシップ型という概念をトータルに理解するのにいい切り口なので、ちょっと説明しておきたいと思います。 素材はこれ https://biz-journal.jp/2020/07/post_167232.html(社員の能力開発費、日企業は米企業の20分の1…社員教育に莫大な投資する外資系企業) 今まで、日企業は社員の能力開発に、ほとんど投資をしてきませんでした。厚労省の「労働経済の分析」でも、「GDPに占める企業の能力開発費の割合」を国際的に比較して

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  • 所得税法204条1項4号の「外交員」は従業員も含むのか!? - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    一昨日、素朴な疑問を感じて書いたエントリですが、 http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2020/06/post-92f73c.html(日郵便社員が持続化給付金って?) ・・・いやだから、かんぽ不正が原因でコロナのせいじゃないだろというのはそうなんですが、それよりなにより、れっきとした雇用労働者に支払われる「出来高払制その他の請負制」(労働基準法27条)の賃金である営業手当が、なんで事業所得として確定申告できちゃうのかが、そもそも理解困難なんですが。 だったら、日中で行われている出来高払いの賃金労働者はみんな税法上は労働者ではなく事業者になっちゃうんですかね。・・・ こういうおかしなことをやっているにも何か法的根拠があるはずだと思って、よく分からない迷宮のような租税法の世界に分け入ってみると、、どうも所得税法のこの規定が根拠のようです。各

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  • 雇用保険のみなし失業はコロナに適用可能か? - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    POSSEの今野晴貴さんが、ヤフー個人で「休業補償の「次の一手」が見えてきた! 震災時に発動した「みなし失業」制度とは」という記事を書いています。 https://news.yahoo.co.jp/byline/konnoharuki/20200504-00176788/ その言うところは、雇用調整助成金はしょせん企業の善意を前提にしたものなので、労働者個人への給付という形が望ましい。そのための道具立ては、東日大震災等で使われたみなし失業があるではないか、というものです。 実はその趣旨にはかなり同感するところがあります。雇用調整助成金はもともと1970年代のオイルショックに対して、その打撃を受けた輸出産業の鉄鋼とか造船といった重厚長大産業の救済を主たる目的として作られたもので、今批判されているやたらに手続きが煩雑だとか、手続きに時間がかかるとかも、そういうことがあまり問題ではない重厚長大

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  • ジョブなき社会の公務員減らしの帰結 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    これを読んで、 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72275 (コロナでわかった、やっぱり日公務員を「減らしすぎ」だ) ・・・たとえば、新型コロナウィルスに関して、なくてはならない働きをしている保健所や公的医療機関。感染者の把握や感染拡大防止で後手に回ったとして批判を受けているが、もともと「平時」を基準に体制が構築されており、緊急時においては明らかに人手不足であることが今回わかった。 国の各省庁の職員も、時々刻々と状況が変化する中で、国会議員の動きに振り回されるなど、普段の激務に輪をかけた混乱状況に忙殺されている。 ・・・・いま挙げた例はあくまでごく一部にすぎないが、なぜ行政の現場はこれほど疲弊してしまっているのか。 主な理由は、ここ20年以上にわたり、国も地方自治体も、行財政改革により職員を軒並み削減してきたこと、その一方で行政が対処しなければ

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