ブックマーク / technique.hateblo.jp (37)

  • 「孤立無業」についてのメモ - Freezing Point

    玄田有史 《孤立無業者(SNEP)の現状と課題》(PDF、2013年1月) 論文を引用しながら、概念の位置づけや数字などを確認しておく。*1 孤立無業者〔Solitary Non-Employed Persons: SNEP(スネップ)〕とは 「20歳以上59歳以下の在学中を除く未婚無業のうち、 ふだんずっと一人か一緒にいる人が家族以外いない人々」 60歳未満 未婚 無業者 の推定人口を2011年時点で求めると、255.9万人となる。うち先の定義に基づき孤立無業者の推定人口を計算すると、その数は162.3万人に達している。 逆にいうと、未婚で無業でも「孤立はしていない」というかたが、結構いらっしゃる(93.6万人)。 厚生労働省は労働力調査を用いて2011年時点のニート人口を60万人とする*2。さらに2011年時点のフリーター数について同省は176万人と試算する。 《孤立無業》は、表現とし

    「孤立無業」についてのメモ - Freezing Point
  • 「職歴のない40歳以上」が、焦点になりつつある - Freezing Point

    ■《1000人に3人ひきこもり 15〜39歳 山形県が初調査》(産経ニュース) 社会的支援の必要性が指摘されている15〜39歳に限ると855人で、1千人のうち3人の割合になるという。 ■《ひきこもり「40代以上半数」》(NHK、山形県) 当初、県は、若者の「ひきこもり」が社会問題になったこともあって15歳から39歳までの比較的若い層を想定していましたが、調査の結果、40歳以上が全体の45%と半数近くを占めていたことが分かりました。 同じ調査に関する記事ですが、 産経は40歳以上を無視しており、 NHKでは逆に、40歳以上が半数近くを占めることが強調されています。*1 社会的ひきこもりについては、 「雇用の口があれば解決する」わけではありません。つまり、 (1)継続的就労を難しくさせる、関係性や意識のトラブルを抱えている (2)職歴や技能に基づいた就職活動ができない こうしたいきさつは、高齢

    「職歴のない40歳以上」が、焦点になりつつある - Freezing Point
  • 説明原理や、問題意識そのもののマイノリティ性 - Freezing Point

    《精神科の診断カテゴリ名の運用について》(togetter) 酒井泰斗氏から、私にいただいたレスポンスです(ありがとうございます)。 以下は今の時点でのお返事、というか、とりあえずの整理です。 モチーフの基調音として それまで価値観を共有していると思っていた周囲の人たちまで、 実際に生じたことについての、古臭い解釈に居直ることがあります。 「権威ある誰か」の言い分は、そこでダメ押しみたいに抑圧する(参照)。 「これ、おかしいですよね」 「いや、問題じゃないな」 → 問題意識を分節することそのものが、どうしようもなく孤立する。逆境にある。 あなたには、なぜそれが「問題」だと分かるんですか? あなたが考えを変えればいいのではありませんか? → 新しく説明原理から作り直すしかない。 そしてそれは、既存の解釈格子に捨てられる。 「そんなものは、説明でもないし、問題でもない」と言われ続ける。 「個別

  • ひきこもる人は、社会の外側にいるのか? - Freezing Point

    酒井泰斗氏のツイートより: 「反社会的」とか「社会復帰」といった言葉遣いにおける「社会」が超越概念であることの気づきを得た。 2013-01-22 09:10:10 via Twitter for iPhone 示唆的でした。 このご発言の酒井さんの文脈を存じませんので、私の勘違いかもしれませんが、 支援論の大事なポイントを思い出したので、メモしてみます。 端的に言えば、 ひきこもった状態は、社会の外側なのか、それとも内側なのか? 社会の外側だと考えると、支援は「内側に入ってこい」になる。 社会の内側だと考えると、支援は「すでに居る場所を何とかしなければ」になる。 雑誌『ビッグイシュー』の往復書簡では(参照)、 斎藤環さんは明白に前者の発想であり、私は後者でした。*1 親に扶養されていても、それは「社会のなか」としか言いようがない。 とはいえ、「だからそのままでいい」ではなくて、 そこには

  • ダイエットについて――「形式的な」自己管理 - Freezing Point

    (1)ストレスで体重が何十キロも増えた (2)身体医学的に必要なのに痩せられない (3)いつの間にかアルコール依存に移行 (4)体重コントロールが自殺念慮と直結 ――こういうことに思い当たるなら、 私が成功している 《形式的禁止》 という取り組み方を、強くお勧めします。 (パスカルやラカンの話ですが、知っておくだけでお得なはず) 参考のため、私の事情を書きます。 身長170cmの男性で、10代は体重60kg前後。20代後半のストレスで急激に80kgまで増加、血圧が180突破。 1年で30kg減らしたが*1、空腹で眠れないため、睡眠薬代わりに飲み始めたアルコールにはまる。*2 酒量は次第に増え、可能な日には朝から飲むようになり、自殺念慮をコントロールできなくなる。 2005年に断酒を決意し、以後は体重も増えすぎず(50kg台なかば)、44歳の今に至ります。 「ダイエットの話なのに、なんで依存

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  • 「診断されたがり病」と、診断マニュアル依存症 - Freezing Point

    マンガで分かる心療内科・精神科in渋谷《自己愛性パーソナリティ障害》 人格障害という診断カテゴリは、すでに「でたらめ」と宣告されています。 以下、「DSM-5 ドラフトについて」より: 正常人格機能と人格障碍との間には質的な区別がありそうにみえない。 また、それぞれの人格障碍間にも質的区別がありそうに思えない。 WIRED.jp 《精神疾患のマニュアルが改訂:病気の定義とは》 《診断する》という振る舞いそのものを考え直さないと、 これでは社会が、医療目線の護教論ばかりになります。 あるいは専門家に対して、「診断マニュアル依存症」という“診断”が必要でしょう。*1 冒頭のマンガもそうですが、ユーザーの側でも、 自分のことを正確に言い当ててもらいたい という、《診断され願望》があるんではないでしょうか。 占いにハマるみたいな。 「医者が言ってるから正しい」 「マニュアルに書いてある」 「お前は

    「診断されたがり病」と、診断マニュアル依存症 - Freezing Point
    dohenkutsu
    dohenkutsu 2012/12/28
    人間は「何者でもない状態」に(長くは)耐えられないのでは?宙吊りの苦痛からの解放を考えると、たとえそれが悪魔のラベリングであっても、人がそれを受け入れてしまうことを一概に否定することもできない。
  • 被差別男性に、セクシュアリティを論じる権利はあるか - Freezing Point

    クリスマス・イヴにふさわしい話題を。 @ueyamakzk / 《被差別民の男に、セクシュアリティを論じる権利はない》とい... ここからの問題提起です。 現状では、 セクハラの訴えがあったら、男性側には反論の権限がない のが通例のようです。 被差別男性の与える不快感が、実際に不当なものになっていることはあり得ます。 もちろんそれについては、改善の努力をすればいい。 問題は、経歴で自動的に嫌悪感をもたれるケースです。*1 差別的嫌悪感は、嫌われた側に努力のしようがありません。 それも「男だから、反論は許さない」というなら、社会生活ができません。 私は猥談がろくにできませんが、*2 まじめなセクシュアリティ論をしてすら、セクハラ扱いされかねない。 ましてデートや交際を申し込めば、 「ひきこもりのくせに、性的なモーションを起こした」 として、社会的に抹殺されるでしょう。*3 バカバカしいと思わ

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  • カント「Realität」誤訳問題をめぐって - Freezing Point

    ハイデガー拾い読み (新潮文庫) 作者: 木田元出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/08/27メディア: 文庫 クリック: 25回この商品を含むブログ (8件) を見る 以下、鮮烈な印象を受けた Realität 誤訳問題と、 その周辺をめぐる木田元氏の説明(に対する私の理解)を、要約してみます。 マルクス「フォイエルバッハ・テーゼ」にある、 《唯物論(Materialismus)》 と 《観念論(Idealismus)》 の対比 は、哲学科の教員たちからは逸脱とされるらしい。 しかし木田氏は、そういう教科書的な理解そのものを問題視している(p.203)。 つまり哲学科の教師たちは、 《唯物論(Materialismus) ⇔ 唯心論(Spiritualismus)》 が 【存在論】 《実在論(Realismus) ⇔ 観念論(Idealismus)》 が 【認識論】 ――という

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  • 「やりかた」の試行錯誤と、分析のプログラム - Freezing Point

    あらためて、ツイッターでの議論をこちらに掲載します。 直前の大まかな流れは、 「上山・酒井問答3に対するつぶやき」(togetter) をご覧ください。 @ueyamakzk @ashibumi68 まとめ更新しました。URLこの「名詞的/動詞的」という分類は、名詞的なのでしょうか。動詞的なのでしょうか。 2012-11-24 13:20:21 via HootSuite to @ueyamakzk @ueyamakzk @ashibumi68 むしろこうしたスコラ的区別(悪い意味で)が出てくるのは、具体的な現象についての分析が提示されないからではないでしょうか。(分析を進めるかわりに「メタ語りはよくない」というメタ語りを延々と続けてしまっていませんか?) 2012-11-24 13:22:43 via HootSuite to @ueyamakzk スコラ的区別というのは、「どうでもいい

  • 軽率な診断発言について - Freezing Point

    ツイッター上での議論ですが、お返事があまりに長くなったことと、 広く知っていただきたい論点を含むことから、こちらに掲載します。 よろしくお願いします。 一部のフェミニズムがことさら男女の性差を無きものとしようとするのは、アスペルガーの症状であろう。 2012-11-18 21:22:36 via web 確認のために、質問させてください。これは、「一部のフェミニズムは議論を間違っている」という主張ではありませんよね。議論の間違いなら、これからの努力で改善があり得ますが、あなたがおっしゃったアスペルガー症候群は、脳髄それ自体の問題だとされています。 @kay_shixima 2012-11-19 22:45:12 via web to @kay_shixima つまりあなたは、フェミニズムを標榜する一部の主張者について、「あの人たちは、脳髄それ自体に問題がある」と、鑑別診断上の判断を提案され

  • この本には、異常な地方が描かれているのではない。 - Freezing Point

    むしろ、私たちの日常が曝露されている。 あのとき、大川小学校で何が起きたのか 作者: 池上正樹,加藤順子出版社/メーカー: 青志社発売日: 2012/10/24メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 18人 クリック: 2,098回この商品を含むブログ (8件) を見る 行きなれた目の前の山に逃げれば、*1 亡くなった子どもたち74人が全員助かっていたのに、 地震発生から50分間も校庭に待機させた。 「山に逃げよう」と声をあげた子どもたちもいたのに、 わざわざ連れ戻してまで校庭にいさせた。 その事実を市長や教育関係者が徹底的に揉み消し、 時間のつじつまをごまかし、聞き取りのメモを捨て、 「頑張って逃げようとしていたが、間に合わなかった」 ことにした。 制度の前提がおかしい 「学校管理下で死亡事故が起きた場合の対応として、報告しなければならないという法律の根拠がないのです」(文部科学省の「

    この本には、異常な地方が描かれているのではない。 - Freezing Point
  • (4) 差別と批判の見分け方 - Freezing Point

    連続エントリ: 第1回 「《つながりの作法》 としての差別」 第2回 「《不定詞の束としての人格》という考え方」 第3回 「生の様式そのものとしての不定詞 infinitif」 第4回 「差別と批判の見分け方」(今回) 第5回 「【追記】 民族浄化ならぬ、当事者浄化」 【承前】  3回にわたってエントリしてきましたが、今回でようやく核心です。 批判的な議論をするとき、それが「意図せざる差別」なのか、それともフェアな批判なのか、よくわかりません。 この違いを明らかにしておかないと、 「差別される側のやってることは、誰も批判できない」 「被差別部落のことは、論じちゃいけないのか」 になって、みんなが萎縮してしまいます。 私の提案するポイントは、《名詞か、動詞か》 という一点だけです。 (1)《名詞形カテゴリ》 に還元していれば差別。 相手をほめる場合でも、あるいは自分についてでも、《名詞形カテ

    (4) 差別と批判の見分け方 - Freezing Point
    dohenkutsu
    dohenkutsu 2012/10/30
    必読。ベイトソンとか齧っていると理解しやすいかも。
  • (1) 《つながりの作法》 としての差別 - Freezing Point

    連続エントリ: 第1回 「《つながりの作法》 としての差別」(今回) 第2回 「《不定詞の束としての人格》という考え方」 第3回 「生の様式そのものとしての不定詞 infinitif」 第4回 「差別と批判の見分け方」 第5回 「【追記】 民族浄化ならぬ、当事者浄化」 『週刊朝日』「ハシシタ」記事と橋下徹氏の件(参照)について、いくつかの議論を精読しました。*1 今回の騒動ではっきりしたのは、 何が差別で何が差別ではないか、理論的に説明できる人は一人もいない。 「批判」と「差別」の違いをどう考えるかに、その人の思想の原理がくっきりと現れる。 橋下徹氏は、私が生きざるを得なかった引きこもり状態について、「勾留のうえ、労役を科す」「生きる資格がない」 と言っていて(参照)、いわば私の人権を(というか命を)認めない人です。 しかし 《彼をどう批判するか》 のロジックには、慎重でありたい。 私はパ

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  • 「アナコーレーシス anakhôrêsis」=「ひきこもり」? - Freezing Point

    ミシェル・フーコー講義集成〈11〉主体の解釈学 (コレージュ・ド・フランス講義1981-82) 作者: ミシェル・フーコー,廣瀬浩司,原和之,Michel Foucault出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2004/01/20メディア: 単行 クリック: 17回この商品を含むブログ (17件) を見る 訳者のおひとり、廣瀬浩司氏*1のつぶやき: @parergon2: フーコー『主体の解釈学』に、しばしば自己へのretrait という言葉が出てきますが、これを「自己へ引きこもること」と訳すのは自粛してしまったのは正しいかったどうか?? 2012-07-16 20:27:49 via web 確認してみました(改行・強調は引用者による)。 この自己の技術テクノロジー)に属するまた別の技術、手続きとしては、退却(retrait)の技術があります。これについては西欧の霊性全体において、非

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  • セーフティネットとしての刑事行政 - Freezing Point

    《姉殺害に求刑超え懲役20年判決 発達障害で「社会秩序のため」》(47NEWS) 大阪地裁は30日、求刑の懲役16年を上回る懲役20年の判決を言い渡した。 判決理由で河原俊也裁判長は、約30年間引きこもり状態だった被告の犯行に先天的な広汎性発達障害の一種、アスペルガー症候群の影響があったと認定。その上で「家族が同居を望んでいないため社会の受け皿がなく、再犯の可能性が心配される。許される限り刑務所に収容することが社会秩序の維持にも役立つ」と量刑理由を説明した。 (2012/07/30) そもそも精神科周辺は、《病院には入院させず、親族や地域社会に任せる》 という流れに見える。 ■《精神科への入院、原則1年以内に…厚労省が方針》(2012年6月29日、読売新聞) 入院治療の必要性がない患者を早期に退院させ、地域で暮らせるようにするのが狙い。退院支援に携わる精神保健福祉士らを配置するなどの取り組

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  • 「ひきこもる人の自殺」をめぐる解釈 - Freezing Point

    【承前】  以下のような見解があり得ます。 斎藤環氏が「純粋なひきこもり事例には自殺がない」と言っているのは、うつ病や統合失調症の診断を受けていない人たちの話。ところが今回紹介された「KHJ親の会」のエピソードは、精神病圏もごっちゃにしている。だから、斎藤氏が「自殺はない」と言い、KHJ が「自殺は多い」と言うのは、当たり前。 自殺はほとんどが、うつ病や統合失調症の結果として起こっている。 これでは、自殺を選ばせる葛藤には、病気しかあり得ないことになります。*1 医療目線からは、自殺は「病気の結果」でしかない。 悩む人からすれば、社会的・思想的要因を無視できない。 そういう平行線でしかないのかどうか。 言説の権威性が3つある。  【参照】 (1)医療・アカデミズム  (2)社会運動体  (3)マイノリティ性を抱えた人 それぞれが自分の内的論理で語るので、簡単な互換性はありません。 それ

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  • 身分制による批評の禁止 - Freezing Point

    患者ポジションの研究者やライターは、医師や福祉関係者にとって、批評の対象になるか。 (1) 対立している (2) レベルが低い に留まらず、 (3) 倫理上許されない という理由で、《批評してはならない》 とされることが多い。 神経症圏の患者さんであれば、診断学的な位置づけは医師や福祉関係者と同じだが、 支援に関して 《する側/される側》 が一度できてしまうと、下駄を履かされた承認か、 全面的に「頭をなでてもらう」ような言及しかされないことがほとんど。*1 多くの “当事者” は、褒められることでウットリするが、それは身分制的に隔離されたにすぎない。 原理的に新しい話をしていても、論争以前に「隔離されて」終わる。 このことは、医療・福祉だけでなく、《弱者》ポジション全般にいえる。 「弱い者を肯定せよ」という正義を振りかざす人は、マイノリティの言動を正当に批評できない。 弱者批評へのタブーは

    身分制による批評の禁止 - Freezing Point
  • 見殺しにするほうがコストが安い、と本当に言えるか? - Freezing Point

    「親族に扶養能力があるなら、生活保護を受けさせるな」と言う人と、 「ひきこもる奴は家から追い出せ」と言う人は、同じだったりするんだろうか。*1 神経症圏の閉じこもりで決定的なのは、 (1)人の努力の、量ではなくてスタイル。やればやるほどおかしくなる。 (2)仕事まわりの人間関係。 「仲間なんてあり得ない」状況。*2 そうしたテーマ設定を拒絶したうえで「保護も支援もするな」では、野宿しかない。 ところが野宿も、社会的に許されていない。*3 サバイバルに必要な環境を整えることに絶対に協力しないことを表明したうえで、「さあ、生き延びてみろ」というのは、もはや合理性とは別の動機づけを持っている。 「税金を払える人の数を増やそう」ですらない。 ひきこもりは、社会保障機能を親が肩代わりしている状態。 その親も、高齢化で扶養能力がなくなりつつある。 「若いし、病気でも障害でもないはずなのに、働く能力が

    見殺しにするほうがコストが安い、と本当に言えるか? - Freezing Point
    dohenkutsu
    dohenkutsu 2012/05/28
    まったくもって
  • 病棟の時間、記述の時間 - Freezing Point

    あるイベントで西村ユミ氏*1は、「二時間かけて患者さんから聴いた話を、五時間かけて言葉にした」とおっしゃっていた*2。 同席していた松葉祥一氏*3と村上靖彦氏*4は、その現象学的記述の細かさをしきりに褒めておられたが、やや疑問が残った。 イベントでは、記述を受けた患者さんご人のコメントがなかったと思うが、 自分が話したことを五時間もかけて研究されたことを、嬉しく思ったのだろうか。 そもそも、五時間もかけた細かさは、誰のためか。 たとえば精神分析なら、患者さん人が嫌がっても、分析家の解釈は強硬に主張され、それこそがむしろ必要とされる。分析的な「真理」は、患者さんの主観的承認とは別の回路で承認される*5。 では、現象学ではどうか。 看護師は、病棟内の時間を生きている。「五時間かけて言葉にした」というのは、病棟の時間を無視した、むしろ嗜癖的な逸脱ですらあるかもしれない*6。 病棟の時間と「記

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  • 論者は「何を」あきらめていないのか - Freezing Point

    古市憲寿、田由紀『希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想 (光文社新書)』に対する、 大澤真幸氏による書評:《「何を」あきらめればよいのか、を問う》(ブック・アサヒ・コム) これは読めて良かった。*1 事業を共有できないときには、共同性も実現できない。 だからといって《事業≒目的》は、下心で人工的にあつらえることもできない。真の必然性が要る。 大澤氏はその、真の必然性に満たされた《目的》のあり得なさを言っているが、 必然性をもった事業を用意できなければ、自分は恣意性に浪費されるだけの存在になる。 恣意性による浪費だけがこの生の必然性になる。 それを避けるために、 自分のやっている《理論事業》だけは、真の必然性に紐づけられた事業だと思いたがる。 ・・・・社会学者じしんは、《何をあきらめたくないか》が分かっている(そうでないと論文も書けないしも読めない)。 彼らが研究する《若

    論者は「何を」あきらめていないのか - Freezing Point