「食事は、簡単なものでいいから」 東日本大震災後、天皇、皇后両陛下は食事を担当する職員にこのように指示される場面があったという。東京電力の計画停電で「第1グループ」に分類された地域の停電予定に合わせ、1回約2時間、暖房や電灯など電気の使用を控える「自主停電」をされているためだ。 「停電中だと、調理に支障がでるだろうというご配慮だったのではないか」と側近は振り返る。 那須御用邸の職員用風呂の開放、御料牧場で取れた卵、缶詰などの提供…。両陛下が地震後に意向を示された前例のない取り組みの中でも、自主停電は特徴的だ。 自主停電は「国民と困難を分かち合いたい」として3月15日に始められた。皇居がある東京都千代田区は計画停電の対象になっていないことについて、陛下は「ノルマがないからこそ、自分で厳しく律さないといけない」と話されたという。寒さは厚着で 自主停電中、両陛下は夜間にろうそくや懐中電灯で灯りを