ラフカディオ・ハーンと聞いてピンと来なくても、『怪談』を書いた小泉八雲という外国人だと言えば分かる人は多いだろう。 1890年(明治23年)に来日し、日本の文化に魅入られ亡くなるまでの14年間、英語教師をしながら日本の物語を欧米に紹介し続け、晩年には帰化して日本人となった。 来日する以前、ハーンはアメリカで新聞記者として活躍する傍ら、物語やエッセイなども精力的に執筆していた。本書もその中の一冊で、10年間滞在していたニューオリンズで、その土地独特のクレオール料理に興味を持ち、本書を完成させたという。ハーン自身の版画による挿画もたくさん収録されている。百年の時をこえ1998年で出版された本の復刻版だ。 ニューオリンズはルイジアナ地方に入植したフランス人とスペイン人、有色人種が混じりあった独特の文化(クレオール文化)を持っている。料理もザリガニや亀などこの場所ならではの食材を使い、ほかにはない