→紀伊國屋ウェブストアで購入 『親族の基本構造』は1947年に刊行されたレヴィ=ストロースの主著である。レヴィ=ストロースの名を文化人類学の世界で一躍高めるとともに、構造主義の出発点ともなった。 日本では刊行から40年もたった1987年になってようやく番町書房から最初の翻訳(以下「旧訳」)が出た。学問的に重要な本であるのはもちろん、40年の間には二度の構造主義ブームもあったのに、これだけ時間がかかったのは『親族の基本構造』がそれだけ難物だからだろう。 旧訳の翻訳にあたったのは日本の文化人類学の一方の中心である都立大の研究者たちで、本書であつかわれる東シベリアからインドにいたる地域で実地調査した経験のある人も含まれていた。 学問的には申し分ないだろうが、旧訳は読みやすい本ではなかった。わたしは出た直後に読もうとしたが、第一部の手前で挫折した。 今回もう一度挑戦しようと思いたったが、2001年