『武装島田倉庫』(ぶそうしまだそうこ)は、椎名誠によるSF長編小説。『アド・バード』『水域』と共に椎名SF3部作に数えられる。小説新潮に掲載された連作短編を結集する形で、1990年12月に新潮社より刊行された。 本書に収録されている七本の短編は、同じ世界の別々の場所・時間における一場面を切り取っている。 物語の舞台では「北政府」との壮絶な戦争から二十年近くが経過し、都市や街道は破壊され、汚染された海や森には異態進化した獰猛な生物群がうごめいている。物資狙いの盗賊団や武装勢力が跳梁する混沌とした時代にあって、陸上運送は命がけの、しかし実入りと余禄のあるハイリスクハイリターンな業界となっていた。 なお、以下の文章には固有名詞が頻出するため、各編における主人公格とタイトルに登場する名称を太字で記載する。 武装島田倉庫 同時にやってきた就職難と食糧難から逃れるため、可児才蔵は四回におよぶ厳しい試験