新成長戦略として「女性の活躍」を目玉に掲げる安倍晋三首相。首相のもつ家族観は一貫しているが、それを実現するには当の「家族」はあまりに疲弊している。 安倍首相が最初の首相就任直前に出版した『美しい国へ』。その中で、〈「お父さんとお母さんと子どもがいて、おじいちゃんもおばあちゃんも含めてみんな家族だ」という家族観と、「そういう家族が仲良く暮らすのが一番の幸せだ」という価値観は守り続けていくべきだと思う〉と書いている。 安倍首相自身は、発達障害は幼少期の親の愛情が不足していたせいであり、女性は家庭で育児に専念せよ、と主張する「親学推進議員連盟」の会長を務めるなど、その家族観、女性観は一貫している。 だが、現実の「家族」はすでに疲弊しきっている。 都内に住むBさん(38)は10年間、パーキンソン病を患う母親を弟と2人で介護してきた。3年前に長女を出産してからは、仕事、介護に加え育児もこなしている。
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