インドの首都デリーでは、一日当たり約7億8350万ℓの水が不足している。4分の1の世帯には水道設備がなく、もしあったとしても水が出るのは日に数時間だ。 そのため、デリー上下水道公社は、給水車で市内を巡回し無料で水を配給している。給水車が到着するやいなや、人々は我さきにと持ってきた容器に水を流し込む。給水車の来る回数が限られているため、これを逃せば死活問題になるからだ。 水不足の原因は、河川の水質汚染、そして老朽化した水道管だ。デリーの上水道管を流れる水の6割は、破損した部分からの漏れで失われているという。 仕方なく市民が頼りにするのが「水マフィア」だ。彼らは河川敷などで勝手に井戸を掘り、そこから汲み上げた地下水を自家製給水車に積んで水を販売して回る。価格は200ℓで約10ドル(約1200円)だが、商業施設などの大口顧客もいるため、稼ぎは上々だ。ある水マフィアの男性の月収は、インドの最低月収