欧州宇宙機関(ESA)の人工衛星がとらえた南極。東日本大震災で発生した津波で、棚氷だった部分(3月12日=左)が、4日後に氷山となって流出した=ESA提供 東日本大震災の津波が約1万3600キロ離れた南極に到達し、棚氷を破壊してJR山手線内の面積に相当する巨大な氷山が現れたことを、米航空宇宙局(NASA)のチームが確認した。 3月11~16日にかけて、欧州宇宙機関(ESA)などの人工衛星で捉えた画像を解析した。 それによると、崩れたスルツバーガー棚氷に、地震発生から約18時間後の3月12日午前9時ごろ(日本時間)津波が到達した。高さは30センチ程度だったが、連続して押し寄せたために棚氷を破壊する力が加わったらしい。氷山の大きさは最大で長さ9.5キロ、幅6.5キロ、厚さ80メートルという。 津波で、棚氷の破壊が確認されたのは初めてだが、チームは今後、地球温暖化の影響も精査していく。【八田浩輔