“ヨーロッパでは、使用者が労働者の意見・希望を聞いた上で具体的な年休日程を決定し、それに従って年休が完全に消化されるというやり方が一般的なのに対し、日本では、年休を取得する時期を原則として労働者が決定できる制度となっている。ヨーロッパの有給休暇はいわば強制的な休暇であって、労働者にとって有給休暇を取る権利はあってもタイミングの指定ができないのである。だから、有給休暇の消化率は自動的に一〇〇パーセントに近くなるはずだ。逆に日本では、有給休暇のタイミングを決める権利を労働者が保有しているがゆえに、病気など不測の事態のために年休を残しておく傾向があるのだ。”