【北京=鎌田秀男、蒔田一彦】中国主導の新たな国際金融機関「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」の開業式典が16日午前、 習近平 ( シージンピン ) 国家主席が出席して北京市内で開かれた。 欧米や日本が主導してきた既存の国際金融秩序に挑戦する経済戦略を担う新組織の始動となる。同日午後に開かれる開業関連の会合で、初代総裁に元中国財務次官の金立群氏が就任する見通しとなっている。 AIIBは、アジアなど中国周辺のインフラ投資に必要な資金を融資する目的で、習氏が2013年に設立を提唱。創設メンバー57か国が拠出する資本金は計1000億ドル(約11兆7000億円)で、約3割を負担する中国は重要案件を決める際の「拒否権」を持つ。 中国と欧州を陸と海の「現代版シルクロード」で結び、巨大経済圏を構築する「一帯一路構想」を後押しする狙いもあるとみられ、運営の透明性を疑問視する日米は参加を見送っている。 開業