東京・永田町の議員会館で4月1日、朝からロビイング活動に励む少女の姿があった。いくつもの部屋を回り、何人もの国会議員と会い、自分の窮状を懸命にうったえた。 彼女が伝えたかったのは、ビザが出て日本に残りたいこと、健康保険に入れないので姉の医療費がかさむこと、そしてクルド人に対するヘイトスピーチのことだった。(ライター・織田朝日) ●ある日を境にビザを奪われてしまった クルド人である少女は、5歳のときに家族と共に来日した。しばらくは特定活動ビザがあったが、3年ほど前に難民申請が却下されたことでビザを失った。 それまでは、そこまで苦労することがなく、ストレスを抱えることもなく、平凡で、特に支障のない生活を送っていた。 ある日、入管に家族ごと呼び出されて、ビザを取り上げられてしまった。日本にいられなくなる悲しみと、今までの生活が一変してしまう不安で怖くて涙が止まらなかった。 以来、不安定な立場であ
