20世紀型大学モデルの終焉 それでは、専門職への就職に直結する一部分野以外の大学教育は、いま何をすべきなのだろうか。 筆者は、この国で大学生の自由と教養が壊滅してしまう前に、いまこそ新しいリベラルアーツを構築することが急務だと考えている。 近代の大学は長らく、将来ホワイトカラー労働者やエンジニアになる若者たちに学士号を与える役割を果たしていれば、政府や企業社会からの相対的な独立を保障されてきた。しかしこの大学モデルは、20世紀とともに終焉を迎えた。 20世紀の大学における教養教育=リベラルアーツは、学生に人文社会科学と自然科学の幅広い教養を身につけさせることで、社会的・政治的に自立した市民を育成する目的を掲げていた。 日本の大学でそうした教養教育が成果をあげてきたのかについては評価が分かれるが、若者に広範な教養教育=リベラルアーツと一定の専門教育を施すことが、大学の主な役割だとされていた。
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