『万引き家族』を観た。話題の映画なので、前置きはせずに書きたいことだけを書いておこうと思う。 この映画では「偽物の家族」のことが描かれている。今風の言葉で言えば「フェイクな家族」とでもなるだろうか。それには2つの意味があって、「血」が繋がっていないということ、そして「戸籍」で繋がっていないということ、この2つが包含されている。 この映画ではこうした「偽物の家族」がはらむ「本物っぽさ」についても描かれている。むしろ彼らの繋がりは「血」や「戸籍」で繋がった「本物の家族」よりもよほど本物っぽいものとして描かれていて、映画を観る者に「血」とは何か、「戸籍」とは何かということを考えさせる。家族とは一体何なのだろうかと。 多くの人たちは、彼ら万引き家族のことをこの社会が生み出す澱のようなものとして捉えるかもしれない。つまり、社会の表面をなぞっているだけでは見えないけれど、その奥で秘かに沈殿する少数派と
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