紙面で読む作家・橋本治さん 自民党の安倍政権は、不思議な政権だと思う。 2012年末の総選挙に圧勝して以来、高い支持率を保っている。考えてみれば、「戦後最低」と言われた、6割に届かない低い投票率の選挙で成立した内閣が、半数を大きく超える支持を保っているそのこと自体が、不思議な現象ではある。 12年の総選挙は、グダグダになってしまった民主党政権の信認を問うようなものであったはずだが、与党民主党の分裂、離党騒ぎが外にも波及してしまった結果、多党乱立の選挙になってしまった。10以上の政党が似たような、そしてそれぞれに違っているらしいことをアピールした結果、どこに投票したらいいのか分からない人が投票を棄権して、その人たちが選挙の後で安倍政権の支持をした、ということだろう。安倍政権の不思議さは、安倍政権よりも、これを支持する国民の方にあるのだと思う。 安倍政権が高い支持率を得ている理由