こちらの記事は、WEDGE2月号特集「『うつ100万人』」は減らない」の第2部に、最新の情報を加筆したものになります。 「うつ100万人時代」のいま、企業に加えて、精神医療界の対応も急務だ。だが、クリニックが次々と開業し、新たな抗うつ剤も開発されているのに、患者数は減らない。なぜか。ある患者の治療ケースから、その理由を探った。 いい精神科医に出会うのは難しい 都内在住で大手印刷会社勤務の斉藤誠一さん(50代、仮名)は4年前、職場の人間関係で悩み、朝起きるのが辛い日々が続いていた。ある日、妻に促されて地元の駅前クリニックを受診したところ、A医師にうつ病だと診断され、薬物療法中心の生活になった。 クリニックには月2回通院した。帰宅途中に寄れる便利さもあったが、診察まで4時間待たされることもしばしば。しかも、「さんざん待ったのに診察時間はわずか5分で、聞かれることは『薬が効いたか効かないか』ばか
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