●中東問題の研究家である立山良司氏(防衛大学教授)は、ホロコーストをめぐる問題について、著書『揺れるユダヤ人国家』(文藝春秋)の中で興味深い指摘をしている。 参考までに紹介しておきたい。 『揺れるユダヤ人国家』 立山良司著(文藝春秋) 立山良司(たてやま りょうじ) 1947年、東京生まれ。早稲田大学 政治経済学部政治学科卒。在イスラエル 日本大使館専門調査員、国連パレスチナ難民 救済事業機関職員、財団法人中東経済研究所 研究主幹などを経て、現在、防衛大学教授。 専攻は中東を中心とする国際関係論。 ※ 以下の文章はこの本からの抜粋です (各イメージ画像は当館が独自に追加) ■「石鹸」と呼ばれた生存者 1950年までに、イスラエルには約35万人のホロコースト生存者が移民してきた。ナチスの強制収容所でかろうじて生き延びたか、何らかの方法でナチスの手を逃れていた者たちだった。 その彼らをイスラエ