ドラマ『トットてれび』(NHK総合)も、いよいよ本日、最終回を迎える。チーフ・ディレクターである井上剛氏インタビュー集中連載第3回は、 前回の俳優陣の魅力 に続いて、何度でも見直したくなる『トットてれび』の名場面について、制作秘話をうかがう。(以下敬称略) ――先週の第6話には、徹子さんと渥美さんの心の交流に涙したという感想がたくさん聞かれました。でも、湿っぽいだけじゃないところがいいと。満島さんが山の手言葉で寅さんの名物口上を真似て啖呵を切るシーンも素敵でした。とくに、ラストのひと言。昭和のドラマ好き、寅さん好きであればシャレを効かせていることもわかって嬉しくなる。そういった、ハッとさせられるシーンが散りばめられています。1話30分という短いドラマですが、制作には相当、手をかけられたのではないでしょうか。 井上 1話の撮影に掛けたエネルギーは、それこそ90分のドラマ分くらいあるのでは!