「要件定義が何の問題もなく進むわけがないじゃないですか」――。日経SYSTEMS 11月号の特集「難航した要件定義 苦境からの脱出法」の取材を進めているときのことだ。要件定義を担当する、あるエンジニアから聞いたこの一言は、昨今の事情をよく表していると思った。 誤解のないように補足しておくと、冒頭のエンジニアのスキルが低いというわけではない。「ベテランのエンジニアでも要件定義で難航することが少なくない。それだけ要件定義が難しくなってきた」といった意見は多くの要件定義担当エンジニアから聞くことができた。 ちなみに、ここで言う要件定義とは、現状の業務とシステムの分析、新しい業務フローを定義する業務要件定義、それに基いて概要レベルのシステム要件をまとめるシステム要件定義などを含む。 要件定義が難航する三つの理由 要件定義が一筋縄ではいかないのは以前から指摘されてきたことだが、それでもなお多くの要件
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