海自の艦艇と漁船の事故は過去にも繰り返されているだけに、東京・市ヶ谷の防衛省では、幹部らが「またか……」と青ざめた表情を見せた。 「海保の捜査を待ちたい」「捜査に全面的に協力したい」。午前9時50分過ぎから始まった同省の記者会見。小野寺防衛相は、緊張した面持ちで何度も繰り返した。 同省によると、事故の第1報が届いたのは、事故が起きた約6分後の15日午前8時6分。同20分には小野寺防衛相に連絡が入り、防衛相は人命救助に全力を尽くすように指示したという。 会見では、衝突時の両船の位置関係や、衝突した場所など質問は次々と出たが、「まだ分からない」「海保の報告を待ちたい」と繰り返し、明言を避けた。定期点検に向かう途中だったため、輸送艦側の見張りの態勢が通常通りだったかどうかが原因究明のポイントの一つになるが、これについて問われた河野克俊・海上幕僚長も、「今後の調査によるが、常識的には通常の航海態勢