中国当局が、北京市で3月に反スパイ法違反容疑で拘束されたアステラス製薬の50代の日本人男性社員を正式に逮捕したことが分かった。中国側が日本大使館などに通知した。北京では日中の政財界人らによる会合が開かれたが、中国でビジネスを行うことのリスクが改めて意識されることになった。 男性は中国に進出する日系企業の団体「中国日本商会」の幹部を務めたこともあるベテラン駐在員。3月に駐在期間を終えて日本に戻る予定だったが、帰国直前に北京の国家安全局に拘束された。中国側は拘束理由を「刑法と反スパイ法に違反した疑い」と説明するが、容疑の詳細は一切明らかにしていない。 4月には林芳正外相(当時)が訪中して秦剛国務委員兼外相(同)と会談し、男性の早期解放を求めたが実現しなかった。 中国政府は9月中旬、正式逮捕するかどうか当局が判断する刑事拘留の措置を取ったことを日本側に伝えた。それまでは取り調べのため当局が指定し