さて、ここで次の質問に、パッと浮かんだ印象で答えて見て欲しい。 「上」と「下」の画像では、どちらの方が、“より微笑んでいる”ように見えますか? 同じ画像にも関わらず、ほとんどの方は「どちらか一方」を選ぶことができるだろう。データによれば、多くの方が「上」を選ぶことがわかっている。とくに右利きの人はこの傾向が強い。これは地域や民族や時代を超えて一定している。つまり人類に共通した性質なのだろう。 「上」の画像は、左半分がニコやかな表情で、右半分が悲しい表情である。しかし、この画像を微笑んでいるように感じるということは、私たちは顔の「左半分」をとくに重要視していることが伺える。左半分さえ笑っていれば、もうそれだけで、なんとなく笑っているように見えるわけだ。 レオナルド・ダ・ヴィンチの名画『モナリザ』は、その口元をよく見ると、右半分がより微笑んでいることがわかる。彼女のその絶妙な表情は「神秘の微笑