一番身近な被写体は、自分の飼い猫。二番目に身近な被写体は近所の猫。野良猫だったり近所の飼い猫だったり友達の家の猫だったりのお馴染み猫。お馴染みの猫だとクセもわかってるし、うまくすればなついてくれるので撮りやすい。 でも、偶然であった旅先の猫というのもまた捨てがたいのである。猫はどこにでもいるわけじゃないので……例えば、東京の銀座や新宿、大阪の心斎橋で猫を探すのは困難だということは容易に想像できる。地元の人しか知らない裏路地へいけばいるだろうが、なかなかそうもいくまい。旅先で猫に出会うにはやはり田舎がよい。 旅先猫を撮るときに重要なのは、その猫がいる場所を含めて撮るということ。せっかく旅先で出会ったのだから、旅の風情とともに切り取りたい。