Commandパターンの話を続けよう。前回はGoF本で提唱されているCommandパターンの説明をしたが、今回はCocoaで使われるコマンドの話だ。もっともCocoaのコマンドは、1つのパターンと呼ぶにはおこがましいものかもしれない。とても単純なものだ。だがそれ故に、非常に根源的で、拡張可能なものになっている。 ターゲットとアクション CocoaはGUIを持ったアプリケーションのためのフレームワークだ。であるから、ユーザインタフェースからコマンドを発行する仕組みは、その中心的な機能として組み込まれている。ターゲットとアクションと呼ばれるものだ。 例としてボタンを考えてみよう。ボタンは、もっとも基本的なGUIの部品だ。ユーザにマウスでクリックしてもらうことにより、何らかの処理を行う。 この「何らかの処理を行う」ことを、もっと分解して考えてみよう。結局、処理を行うということは、オブジェクト指向