鎖国ぶりが強調される北朝鮮が、国際舞台に積極的に進出しようとしている数少ない分野が、アニメの制作だ。国外の映画祭での受賞歴も多く、北朝鮮を代表するアニメ制作所では、約1500人のスタッフが働いており、「多くの国と合作、交流を活発に行っている」と胸を張る。 だが、実際には「合作」ではなく海外プロダクションの「下請け」が実態のようで、財政難に悩む北朝鮮の外貨稼ぎに一役買っている面もあるようだ。 1960年代から子ども向けアニメの制作 国営朝鮮中央通信によると、政府が1957年に国内の美術家を集めて「人形アニメ制作団」を結成し、1960年代から子ども向けアニメの制作が活発化した。有名な作品としては「翼のはえた竜馬」、「マクワウリを動かした蟻」などがある。1985年にブルガリアで、90年に米国で行われたアニメ映画祭では表彰されている。西側諸国のアニメと比べて兵士が登場するシーンが目立つものの、実際