光復節(日本統治から独立した日)の反日デモ(2015年8月15日、ソウル) Kim Hong-Ji- REUTERS <第二次安倍政権期の朝鮮半島政策がことごとく上手くいかなかったのは、南北朝鮮には日本の力が必要なはず、という時代遅れの錯覚があったからだ> 「日韓関係についての質問は出ないんですね」──自民党総裁選挙を巡る記者会見を見ていた、とある韓国在留のジャーナリストのSNS上での呟きである。なるほど確かにその通りだ。振り返れば、昨年の夏は7月に発表された日本政府による一部半導体産品の輸出規制発動により、日韓関係は大荒れに荒れていた。両国のメディアはこの対立を大きく報じ、韓国では大規模な日本製品や日本旅行のボイコットが発生していた。それは恰も日韓関係を巡る問題が、両国の国民において枢要の問題である、と見做されているかのようであった。 しかし、安倍首相が自らの退任を表明し、新たな首相が生