東京からはるか1730キロ、太平洋の真ん中にある孤島が沖ノ鳥島だ。日本最南端のこの島が先日、脚光を浴びた。国連がここを基点とする日本の大陸棚延長を認めたからだ▼広いサンゴ環礁の中に、ほんとに小さな島が二つある。北小島と東小島。満潮時、北小島は高さ16センチを残すだけになる。東小島は何と6センチだ。干潮時の面積は、どちらも1坪に満たないという ▼「島ではない。岩だ」。中国と韓国が数年前にそう言いだした。島なら周囲約370キロが日本の排他的経済水域。岩だと22キロが領海で、その外はどの国も利用できる公海になる▼何しろ周辺は宝の海だとされる。メタンハイドレートや希少金属を含む「海底熱水鉱床」。電子部品に不可欠なコバルトが豊富な「コバルトリッチクラスト」。各国が欲しい資源が海底に眠る ▼島をぐるりと囲んで特殊な護岸工事を行ってきた。波の浸食で島が崩壊するのを防ぐためだ。費用は300億円。大金を