高値で推移した秋漁の競り。背景には実需に基づかない一部加工業者による買い支えがある=12月中旬、静岡市清水区の由比漁港 取引価格が高騰したまま終了した駿河湾サクラエビ秋漁。店頭価格も消費者にとって“高根の花”の状態で、食卓を彩る機会は減っている。歳暮商戦も盛り上がらず年末年始の荷動きは鈍く、加工業者は厳しい年の瀬を迎えている。 複数の加工業者によると、サクラエビの歳暮商品の顧客への案内を秋漁期中に開始。しかし、1ケース(15キロ)当たり12万円と暴騰した今春の取引価格や、秋漁期中の高値を販売価格に反映させざるを得ず、注文は少ないという。 静岡市清水区由比地区の加工業者は、歳暮商品の販売価格を2、3割高くしても利益が出ないといい、「かなり厳しい。歳暮の売り上げは以前の半分程度にまで減ってしまった」と肩を落とす。 地元の一般家庭でも敬遠されている。同区蒲原地区の50代主婦は「以前は漁期になると