東日本大震災の津波で被災し、東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が昨年3月まで続いた福島県浪江町の請戸(うけど)漁港で2日、大正時代から続く伝統の出初め式が7年ぶりに復活した。大漁旗をはためかせた漁船18隻に乗り込んだ漁師とその家族らは、港から約1キロ沖合で船をお神酒で清め、1年間の安全と豊漁、漁業の復興を祈った。 請戸漁港は第1原発から約7キロ北にある。震災後、地元の相馬双葉漁協請戸地区に所属する漁船は、さらに約22キロ北の南相馬市鹿島区の漁港に係留場所を移したが、岸壁の復旧などを受け昨年2月に請戸漁港へ戻った。現在は26隻が、第1原発から10キロ以上離れた海域で試験操業を続けるものの、請戸近くでの漁は再開できていない。