欧米の世界的な大企業がメキシコ先住民族の文化に熱視線を注いでいる。フランスの高級ブランド「エルメス」は先住民族の一つ、オトミ族の伝統的な刺しゅうを新作スカーフのデザインに採用し、3月から日本など40カ国で売り出している。オトミ族の知名度は上がり、デザインの使用料は地元の学校改修費などに充てられた。だが、先住民族を取り巻く社会環境は依然、厳しく、村民の半数が米国に出稼ぎに行かざるを得ない貧困の構造は変わっていない。【サンニコラス(メキシコ中部)で國枝すみれ】 ◇伝統のアートをデザインに 鳥、ロバ、トウモロコシの収穫を祝う村人--。踊るようなデザインとカラフルな色。刺しゅう糸の風合いまで再現されたエルメスの25色刷りの絹スカーフは「人と自然の邂逅(かいこう)」と名付けられ、今年の春夏コレクションとして発表された。 エルメスは08年3月、メキシコ市にある大衆芸術博物館の協力を得て、メキシコ中部イ
◇色、素材ともナチュラル系人気/ハイヒール敬遠、歩きやすさに照準/パンツ、リュック売り上げ増 東日本大震災を機にファッションのトレンドに変化が生じている。春夏カラーとして赤やオレンジが想定されていたが、震災後の売れ筋は白やサックスブルー(淡い青)のナチュラル系に。東京都内の百貨店ではヒールの低い靴が売れている。流通関係者は「都会生活のもろさを実感した消費者が、自然を大切にしようと思うようになったからでは」とみている。【宇田川恵】 赤など明るく濃い色彩を抑え、白や薄いブルー系の服が目立つ婦人服売り場。東京都中央区銀座の老舗百貨店、松屋銀座の店内は、しっとりと落ち着いたムードが漂う。 「今年の春夏ものは、世界的なファッショントレンドを受けて、70年代のハッピーな感じをイメージし、赤やオレンジが注目カラーになると考えていた」と同店。震災前は景気回復傾向を追い風に、カラフルな色の服が好調に売れてい
仙台市出身で東京都の会社員、望月秀太郎さん(26)が、東日本大震災被災地の若い女性に好みの衣料品をインターネットを使って無料で届ける運動を始めた。被災地では救援物資として送られた衣料品が余り始めており「若い人たちにおしゃれを楽しんでほしい」と発案した。 衣類を提供できる人と、衣類が欲しいという被災者をそれぞれネット上で募集。望月さんの知人のデザイナーやアパレルショップのバイヤーら約10人の活動拠点に、提供者から服を送ってもらい、サイズなどを細かく分類。被災者の年齢やサイズ、好みなどを考慮したうえでお似合いの10点前後を送る仕組み。 送料は提供者の負担で、被災者1人につき原則1回のみ利用可能としている。これまでに提供を申し出た人は全国から約150人、受け取った被災地の女性は約15人に上る。 望月さんは震災直後から古里の力になりたかったが、仕事が忙しいうえ、金銭的にも余裕がなく「『被災者に何も
オープン初日から列を作って京都マルイに入店する大勢の買い物客ら=京都市下京区で2011年4月27日午前10時、望月亮一撮影 ファッションビルの丸井グループ(東京)が運営する京都マルイが27日、昨年8月に閉店した京都市下京区の四条河原町阪急の後継テナントとして開店した。関西ではなんばマルイ(大阪市中央区)、神戸マルイ(神戸市中央区)に次ぐ3店舗目。年間売り上げ約60億円台半ばを目指している。 阪急京都線河原町駅に直結し、地上6階、地下1階、売り場面積約8760平方メートル。自社ブランドを中心に扱う売り場が全体面積の約4割を占める他、東急ハンズの雑貨店「ハンズビー」など53店中42店が京都初出店となる。 この日は朝から300人以上が列をつくり、午前10時の開店を待ちわびた。【入江直樹】
◇フェラガモ「日本に残る」 【ローマ藤原章生】東日本大震災の影響で日本人の消費者心理が変わり、ブランド離れがさらに加速しそうだ。フェラガモなどイタリアの老舗からは「日本復活」を望む激励が絶えない。だが、阪神大震災では3カ月で正常に戻ったものの「今回ははるかに厳しい」との声が聞かれる。 イタリアにとり日本は重要な輸出相手国で、総額約5400億円(09年)。品目を見ると、繊維、衣料品、皮革製品、つまりブランド品が全体の約3割を占めるが、過去5年の売り上げは年5~10%の割で減り続けてきた。 約170社加盟の在日イタリア商工会議所のフランチェスコ・フォルミコーニ会長(47)は「大震災の影響でイタリアのブランド品の11年上半期の売り上げは前年比で3~5割減る」とみている。 「今回は原発事故による停電、放射性物質による汚染の被害で繁華街への人出が半減した上、自粛のムードも加わり、回復には時間がかかる
相続トラブルが原因で途絶えていた京都の人気かばんブランド「一澤帆布」が4月6日、復活することになった。製造していた「一澤帆布工業」の相続権を巡る裁判で勝訴した先代の三男、一澤信三郎さん(62)が28日発表した。「正統」な一澤帆布製品の復活は、信三郎さんが一澤をいったん離れ新ブランド「信三郎帆布」をつくって以来5年ぶり。 一澤帆布工業では、05年12月に信三郎さんが社長を解任され、長男と四男が代表取締役に。信三郎さんは職人全員を引き連れて独立し、06年、すぐ近くに店を開いて「信三郎」ブランドの製品を製造・販売してきた。長男側は一澤帆布ブランドで営業を続けたが、09年6月、信三郎さんの解任取り消しを認める判決が確定した。 看板は「一澤信三郎帆布」とし「信三郎」製品の販売も続けるが、店舗は旧一澤帆布に戻る。【山本直】
【ロンドン会川晴之】フランスの高級ブランド、ルイ・ヴィトンなど60を超えるブランドを傘下に持つモエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH)が、イタリア宝飾品時計大手のブルガリを買収すると英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)が6日伝えた。7日に正式発表する。中国など、今後、需要急増が見込まれる新興市場での競争力を確保するのが狙い。 LVMHは、ルイ・ヴィトンのほか、ジバンシー、クリスチャン・ディオール、セリーヌなどファッションの高級ブランドや香水、宝飾品のほか、クリュッグ、ヘネシーなどの酒類メーカーなどを傘下に置く巨大コングロマリット。かねて、経営者一族の株式保有率が高いブルガリ買収を狙っていた。 ブルガリの経営者一族が保有する51%の株式とLVMHの株式を交換する形で実施され、ブルガリの経営者一族がLVMHの第2位の株主になる。買収金額は不明だが、ブルガリの時価総額は23億ユーロ(約2600億
◆服を「物々交換」できるイベントって? ◇「誰かに喜ばれる」実感 ■ 出品の手間少なく 着なくなった服を他人の服と「物々交換」するイベントが広がっている。エコの視点からだけでなく、ファッションの楽しみを広げる新しい手法として人気を集めている。 コート、ポシェット、靴、チュニック……。大阪市内のギャラリーで先月開かれたイベントには、約1200点がずらりと並んだ。「フェンディ」「コムデギャルソン」といったブランド品や、毛皮のコートも。持ち込んだ人は約200人にのぼる。 来場者は1人3000円の参加費を払い、持ち込んだアイテムの数に応じて、好きな品を持ち帰れる。母親(48)と参加した女性(20)は「普段と違うテイストの服に気軽に挑戦できるのがうれしい」と話した。 開催したアパレル企画会社「マックシュプール」(http://www.macspur.jp/)の林麻夕美代表(32)は「フリーマーケット
<Japan Fashion Week in TOKYO> 東京ミッドタウン(東京都港区)を主会場に開かれている2011年春夏の東京コレクション・ウィーク。3日目の20日は7ブランドがショーを行った。 <左>corazon del alma=東京都渋谷区で<右>TOKUKO 1er VOL=東京都目黒区で、どちらも2010年10月20日、久保玲撮影 ファーストショーとなるコラゾン デル アルマ(小井庸嗣(こいのぶひで))が、力量を示す完成度が高いコレクションを発表した。たっぷりしたスカートが揺れる軽やかなドレスや袖がアシメトリーなトップスなど、洗練された大人のための服だ。透け感があるシルクのプリントは、南国の花や海の魚といった自然界の産物がモチーフ。3枚4枚と重ねて使い、動きと立体感を出した。 メンズのアトウ(松本与)は、「スクールやスポーツ」がテーマ。スエット素材のパーカや短めのパンツに
<Japan Fashion Week in Tokyo> 東京ミッドタウン(東京都港区)を主会場に始まった2011年春夏の東京コレクション・ウィーク。初日の18日は6ブランドがショーやインスタレーションを行った。 毎回パワフルな女性像を描くG.V.G.V.(MUG)。今回は「世界中の音楽フェスを旅して回る女の子」をイメージし、インドネシアやモロッコ、ロシアなどの民族的要素をミックスしたヒッピー風の服を見せた。麻や木綿など自然素材を多く使い、いつもより優しい感じのコレクション。インドネシアの絣(かすり)模様にアニマルプリントを合わせるなど、個性が強い柄同士の組み合わせが楽しい。 ビューティフル ピープル(熊切秀典)は1960年代の米国のアイビーリーグに関する写真集が着想源。インスタレーション形式で、ゴブラン織りの迷彩柄や麻製のジャージーなど素材にこだわったトラッドな服を披露した。バットマン
◇アニサキスは“要注意” 大分県水産研究部(佐伯市)養殖環境チームの主幹研究員、福田穣(ゆたか)さん(53)が魚の寄生虫を食べてみるという果敢な試みを続けている。「単なるゲテモノ食い?」と勘違いされる向きもあろうが、「海の魚の寄生虫のほとんどは無害。正しい知識を持ち、必要以上に恐れないで」と福田さんはいたってまじめ。寄生虫への不安解消をアピールしている。 イタリアには「マカロニ・ディ・マーレ」(海のマカロニ)という料理がある。実は、小麦粉で作ったものでなく、魚の腹に寄生するサナダムシの仲間が原料なのだ。日本でも北海道や東北で、この虫をきしめんのように生でつるつる食べる習慣があったという。 これまで約20種類を試食した福田さんのイチ押しが、マダイの口の中に寄生するタイノエだ。エビやカニと同じ甲殻類。大きなものは5センチある。空揚げにすると「卵がいっぱい詰まった旬のシャコのような味で、殻ごとパ
◇普通の女の子、そのままで 身の丈にあったファッション表現 ファッション誌で「読者モデル」という肩書を目にする機会が増えた、と感じる方も多いはずだ。学生、会社員などさまざまな「本職」を持つ、通称「読(どく)モ」。最近ではテレビ番組にも進出し、プロのモデルではなく読モばかりを起用した雑誌まで生まれる勢いだ。【井田純】 「今度は、体ちょい傾けて--はい、そこからまた、顔真ん中に」--カメラマンの声にシャッター音が続く。小気味いい音が刻まれる度、青木育日(いくひ)さん(21)はコマ送りのようにポーズと表情を変える。さびしげな表情から、こぼれんばかりの笑みに。はにかんだ笑顔が一転、すねたような目に。まさに、女優かモデルそのものだ。 早朝から撮影が始まった東京・南青山のスタジオ。集まった4人は、いずれも大学生ながら毎号のように雑誌に登場する売れっ子だ。大学入学直後からのキャリアを持つ青木さんは「いろ
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