韓国の人たちの名前は、日本人になじみのあるペ・ヨンジュン(裴勇俊)さんやチェ・ジウ(崔志宇)さんは漢字で表記できるが、今年1月のサッカー・アジア杯で韓国代表として活躍した尹(ユン)ビッカラム選手の名は漢字で書けず、日本語では片仮名で書くしかない。「ビッ」は光を、「カラム」は川を意味し、「光の川」「光輝く川」という意味になる。 一般に、朝鮮人の名前は漢字で書けると思われているが、漢字で表記できない名前を持つ韓国人が近年増えてきている。それは「伝統」の復活という面もある。 朝鮮人の名前の変化が歴史的にどのような意味を持っているのかを考えたい。 ◆朝鮮特有の姓と本貫 朝鮮人の名前は、姓、名、本貫(ほんがん)の三つの要素から成っている。いずれも戸籍に記載されていた。 姓は、日本の名字とは違う。日本では異なる名字を持った人は戸籍に入れないが、韓国では一つの戸籍に異なる名字を持つ人が入っているのが普通