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ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (126)

  • 米史上最大の法人減税からの教訓 - himaginary’s diary

    というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Lessons from the Biggest Business Tax Cut in US History」で、著者はGabriel Chodorow-Reich(ハーバード大)、Owen M. Zidar(プリンストン大)、Eric Zwick(シカゴ大)。 以下はその要旨。 We assess the business provisions of the 2017 Tax Cuts and Jobs Act, the biggest corporate tax cut in US history. We draw five lessons. First, corporate tax revenue fell by 40 percent due to the lower rate and more generous exp

    米史上最大の法人減税からの教訓 - himaginary’s diary
  • これはハマスの罠なのか? - himaginary’s diary

    今回のハマスの蛮行は世界を震撼させたが、なぜそこまでの残虐行為を行ったかを考えると、イスラエルにガザ侵攻を余儀なくさせるためではないか、という仮説が一つ考えられる。そこで「Hamas trap」でぐぐってみると、同様の仮説を立てている記事に幾つか行き当たったので、引用してみる。 まずは、USAIDに在籍していたR. David Hardenによる10/11付けNYT論説記事からの引用。 Hamas knew that the attack on Saturday would give Mr. Netanyahu little choice but to retaliate with a ground invasion, and it knows that the Israel Defense Forces’ technology and military superiority would

    これはハマスの罠なのか? - himaginary’s diary
  • 米国は本当に第二次大戦の債務を成長で縮小したのか? - himaginary’s diary

    というNBER論文をローレンス・ボールらが上げている(H/T タイラー・コーエン)。原題は「Did the U.S. Really Grow Out of Its World War II Debt?」で、著者はJulien Acalin(ジョンズ・ホプキンズ大)、Laurence M. Ball(同)。 以下はungated版の結論部。 This paper investigates the factors behind the behavior of the U.S. debt/GDP ratio since 1946, both the large decline in the ratio from 1946 to 1974 and the large increase since then. We seek to decompose the movements of debt/GD

    米国は本当に第二次大戦の債務を成長で縮小したのか? - himaginary’s diary
  • 南部連合のディアスポラ - himaginary’s diary

    というNBER論文が上がっている(H/T タイラー・コーエン)。原題は「The Confederate Diaspora」で、著者はSamuel Bazzi(UCサンディエゴ)、Andreas Ferrara(ピッツバーグ大)、Martin Fiszbein(ボストン大)、Thomas P. Pearson(シラキュース大)、Patrick A. Testa(テュレーン大)。 以下はungated版の結論部。 A debate has raged in recent years among the general American public as to the significance of Confederate memorials and iconography. Some claim that these serve merely as innocuous symbols of

    南部連合のディアスポラ - himaginary’s diary
  • 大衆のアヘン? 絶望死と米国の宗教の衰退 - himaginary’s diary

    というNBER論文が上がっている(昨年7月時点のWP)。原題は「Opiates of the Masses? Deaths of Despair and the Decline of American Religion」で、著者はTyler Giles(ウェルズリー大)、Daniel M. Hungerman(ノートルダム大)、Tamar Oostrom(オハイオ州立大)。 以下はその要旨。 In recent decades, death rates from poisonings, suicides, and alcoholic liver disease have dramatically increased in the United States. We show that these "deaths of despair" began to increase relative

    大衆のアヘン? 絶望死と米国の宗教の衰退 - himaginary’s diary
    emiladamas
    emiladamas 2023/01/26
    "「絶望死」は1990年代初めにトレンドを上回って増加し始めたこと、この増加の前に宗教的な会合への参加率の低下があったこと、および、両方のトレンドが中年の白人の米国人が要因となっていたことを我々は示す"
  • 経済学者と疫学者の暗闘 - himaginary’s diary

    こちらで関連ツイートをブクマしたように、疫学者と経済学者のコロナ対策に関する考え方の違いが大きくなっているようである。簡単に言うと、経済学者が政策介入の無い経済活動を重視し、オミクロン株のインフルエンザ並みの軽症化に鑑みてコロナへの特措法の適用廃止を求めているのに対し、疫学者はオミクロン株の重症化率の低さ以外の要因も重視して、政策介入の撤廃に慎重な姿勢を示している*1。 言うなれば、変異株の未知性を警戒する疫学者側が、経済学のいわゆるナイトの不確実性的な要因を考慮して政策手段を採る余地をなるべく残そうとしているのに対し、経済学者側が法学者張りに法律のトリガー条項を厳格に解釈し、ナイトの不確実性的な要因は捨象する姿勢を取っているように見える。やや皮肉な言い方をすれば、経済危機の際にナイトの不確実性的な要因を持ち出して思い切った財政政策手段を採ることを求めた内外の声に抗し、財政規律や経済の自律

    経済学者と疫学者の暗闘 - himaginary’s diary
  • 新古典派メカニズムが不在の時に戦争は協力を促さない! トルコの徴集兵の自然実験による実証結果 - himaginary’s diary

    というNBER論文が上がっている。原題は「War Does not Foster Cooperation when Neoclassical Mechanisms are Absent! Evidence from a Natural Experiment among Turkish Conscripts」で、著者はArzu Kibris(ウォーリック大)、Resul Cesur(コネチカット大)。 以下はその要旨。 Exploiting a natural experiment and an innovative survey design, we study the social and political legacies of armed conflict exposure (ACE) among Turkish conscripts. Our empirical framewor

    新古典派メカニズムが不在の時に戦争は協力を促さない! トルコの徴集兵の自然実験による実証結果 - himaginary’s diary
  • コロナ禍における共和党員と民主党員の超過死亡率 - himaginary’s diary

    というNBER論文が上がっている。原題は「Excess Death Rates for Republicans and Democrats During the COVID-19 Pandemic」で、著者はイェール大のJacob Wallace、Paul Goldsmith-Pinkham、Jason L. Schwartz。 以下はその要旨。 Political affiliation has emerged as a potential risk factor for COVID-19, amid evidence that Republican-leaning counties have had higher COVID-19 death rates than Democrat- leaning counties and evidence of a link between pol

    コロナ禍における共和党員と民主党員の超過死亡率 - himaginary’s diary
  • サマーズが成長悲観論者である理由 - himaginary’s diary

    というコメント(原文は「Why Summers is a growth pessimist」)を添えてタイラー・コーエンがサマーズの以下のツイートにリンクしている。 My thoughts on growth over the next decade versus growth over the last decade. Seems to me there is every reason to expect it will be slower. Watch an excerpt from my talk at the American Economic Association's 2022 Annual Meeting.https://t.co/SMdthwC0jW— Lawrence H. Summers (@LHSummers) 2022年1月19日 twitter.com そのツイー

    サマーズが成長悲観論者である理由 - himaginary’s diary
  • 韓国の重化学工業化産業政策の効果 - himaginary’s diary

    9月に韓国の産業政策に関するNBER論文が2上がっていた(H/T Mostly Economics)。 一つはJaedo ChoiとAndrei A. Levchenko(いずれもミシガン大)による「The Long-Term Effects of Industrial Policy」(ungated版)。以下はその要旨。 This paper provides causal evidence of the impact of industrial policy on firms' long-term performance and quantifies industrial policy's long-term welfare effects. Using a natural experiment and unique historical data during the Heavy

    韓国の重化学工業化産業政策の効果 - himaginary’s diary
  • 中国がアセモグル=ロビンソン理論を打破するとき - himaginary’s diary

    ピーターソン国際経済研究所のシニア・フェローであるアーヴィンド・スブラマニアン(Arvind Subramanian)が、The American Interestの記事で以下の図を示し、中国が非民主主義的な割に経済発展の程度が高く、インドが民主主義的な割に経済発展の程度が低いのは、アセモグル=ロビンソンがWhy Nations Fail*1で唱えた理論に反するではないか、と噛み付いた(H/T Mostly Economics11/2エントリ)。 *2 それに対し、アセモグル=ロビンソンが自ブログで素早く反応した(H/T Mostly Economics11/5エントリ)。そこで彼らは中国について以下のように書いている。 ...when economic institutions take steps towards greater inclusivity — which has happ

    中国がアセモグル=ロビンソン理論を打破するとき - himaginary’s diary
  • 不作為の罪と経済学の慣行 - himaginary’s diary

    という小論をジョージ・アカロフが書いている(原題は「Sins of Omission and the Practice of Economics」、H/T タイラー・コーエン)。 以下はその要旨。 This paper advances the proposition that economics, as a discipline, gives rewards that favor the “hard” and disfavor the “soft.” Such bias leads economic research to ignore important topics and problems that are difficult to approach in a “hard” way—thereby resulting in “sins of omission.” This pape

    不作為の罪と経済学の慣行 - himaginary’s diary
  • スペイン風邪による死がナチ党の得票を引き上げた - himaginary’s diary

    という実証結果を示した論文をMostly Economicsが紹介している。論文は「Pandemics Change Cities: Municipal Spending and Voter Extremism in Germany, 1918-1933 」と題されたNY連銀のスタッフレポートで、著者はKristian S. Blickle。 以下は文の一節のMostly Economicsからの孫引き。 ...influenza deaths of 1918 are correlated with an increase in the share of votes won by right-wing extremists, such as the National Socialist Workers Party (aka. the Nazi Party), in the crucial

    スペイン風邪による死がナチ党の得票を引き上げた - himaginary’s diary
  • 将来世代はグレタ・トゥーンベリを許さない? - himaginary’s diary

    ふと、かつて温暖化対策の行き過ぎを諌めたビョルン・ロンボルグはグレタ・トゥーンベリについて何か言っているのかな、とぐぐってみたところ、9月末にこのような論説を書いていることを知った。以下はその概要。 人間が気候変動の科学を理解して行動しないことは「悪」であり、気候変動によって「人が死んで」おり、あと8年余りで炭素の排出余地は尽きてしまうため、2028年までに化石燃料で動くものをすべて閉鎖すべし、というグレタ・トゥーンベリの国連演説は、良く見られる主張であるが、根的に間違っている。確かに気候変動は人為的な原因で現実に生じているが、気候変動で世界が終わるという彼女の見方は根拠が無い。IPCCによれば、2070年までの気候変動の影響は、生態系への影響も含めても、平均所得の0.2-2%の減少に相当する。その時までに、地球上の各人の所得は300-500%向上している。 1世紀前の生活はつらいものだ

    将来世代はグレタ・トゥーンベリを許さない? - himaginary’s diary
    emiladamas
    emiladamas 2019/12/15
    普段のはてな村だと、財務省のリソースが足りないからあれもこれもできないというロジックは嫌われていたように思うのだが、温暖化だとそれで納得しするんだなと
  • 原因は電話だよ、馬鹿者:携帯と殺人 - himaginary’s diary

    恰も22日に紹介したドノヒュー=レビットに反駁するかのような表題のNBER論文が上がっている。原題は「It's the Phone, Stupid: Mobiles and Murder」で、著者はLena Edlund(コロンビア大)、Cecilia Machado(ジェトゥリオ・ヴァルガス財団)。 以下はその要旨。 US homicide rates fell sharply in the early 1990s, a decade that also saw the mainstreaming of cell phones – a concurrence that may be more than a coincidence, we propose. Cell phones may have undercut turf-based street dealing, thus under

    原因は電話だよ、馬鹿者:携帯と殺人 - himaginary’s diary
  • 減税と賃金の再説(少し難しい) - himaginary’s diary

    以前、法人減税がどの程度の賃上げにつながるかについてクルーグマンやマンキューやサマーズやファーマンやマリガンやデロングが議論を繰り広げていたが(cf. ここ、およびその後続記事)、クルーグマンが改めてその問題を表題の記事(原題は「Tax Cuts and Wages Redux (Slightly Wonkish)」)で論じている。 そこで彼は以下の3種類の説(および現象)を紹介している。 楽観論者の説 ケビン・ハセットやTax Foundationは以下のような説を唱えていた。 財や労働の市場は完全競争に近い。 米国は世界資市場の一部であり、その市場では税引き後の利益率は概ね均等化される。 従って、法人税率を引き下げると米国は世界から資流入を惹き付ける。資ストックの増加により資の税引き前利益率が下がり、労働を求める競争は高まる。そのため、賃金は上昇する。長期的には減税の便益はすべ

    減税と賃金の再説(少し難しい) - himaginary’s diary
  • 有効求人倍率の内訳 - himaginary’s diary

    最近の人手不足は人口減少によるものであり、しかも人口の高齢化を反映して求人は介護関係に偏っている、という話を時々耳にする。 この話の前段に対しては、労働力人口は増加している、という反論がなされることが多い。それに対しては、いや、増えているのは女性や高齢者で、働き盛りの男性は減っている、という指摘も良くなされる。 試しに総務省統計局のHPから年齢階級別の労働力人口を落として描画すると以下のようになる。 これではわかりにくいので前年差の推移をみてみる。 これをみると、確かに労働力人口は増えているが、15-65歳の男性は減っており、増加を支えているのは女性と65歳以上の男性であることが分かる。 では、冒頭の話の後段はどうだろうか? 総務省の同じページから産業別就業者数を落として同様に前年差を描いてみたのが下図である*1。 分かりやすくするために「医療・福祉」を赤色にしてみたが、確かに他の産業の増

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  • 減税の昔ながらの嘘 - himaginary’s diary

    トランプ減税案を叩いていたクルーグマンが、昔ながらの共和党の嘘も顔を見せ始めている、と警告している。 その一つが、富裕層が税金の大部分を納めているのだから、減税の恩恵の大部分を受けても当然だ、という議論である。クルーグマンは、この議論は中間層向けの減税というキャッチコピーと矛盾している、と皮肉りつつも、その話は連邦所得税については成立するかもしれないが、連邦税としては大部分の人にとって所得税よりも多い給与支払税は実際には逆進的である、と指摘している。また、それなりに負担割合の高い州・地方税は明らかに逆進的であり、税全体を考えると負担比率は所得比率からそれほど外れていない、としてこちらのサイトから以下の図を示している。 もう一つが、レーガン減税によって米経済は3%以上の高成長を達成した、という議論である。それに対しクルーグマンは、クリントンのみならずカーターも在任期間中の成長率は3%を超えて

    減税の昔ながらの嘘 - himaginary’s diary
  • 人口動態がアジアのバランスを変える - himaginary’s diary

    Tim Taylorが表題のエントリ(原題は「Demography Rebalances Asia」)で人口動態について以下のように書いている。 Demographic shifts are about more than economics. Think about an array of social institutions: schools, parks, libraries, building and housing codes, public transportation, health care, the size of the volunteer sector. All of these, and many others, take on differing importance and shape when an economy has a relatively high

    人口動態がアジアのバランスを変える - himaginary’s diary
  • 米経済学者版2ちゃんねるに見る女性差別 - himaginary’s diary

    ジャスティン・ウルファーズもNYTで紹介しているが、経済学者向けのインターネット掲示板を分析した論文が話題を呼んでいる。以下はイリノイ大のJeffrey R. Brownが自ブログでその論文を取り上げたエントリからの引用(H/T Economist's View)。 In case you are not following the discussion on Twitter and other social media sites, Alice Wu, who will be entering Harvard’s Ph.D. program in economics this fall, used machine learning techniques to dig through more than a million comments posted on the online por

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