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映画『ロブスター』公式サイト
質問しない。それがこの“コメディ”を楽しむ鍵となる。 母国ギリシャで『籠の中の乙女』(12)、『アルプ... 質問しない。それがこの“コメディ”を楽しむ鍵となる。 母国ギリシャで『籠の中の乙女』(12)、『アルプス(原題)/Alps』などの映画を撮ってきたヨルゴス・ランティモスの初の英語作品となる本作で、観客はいきなり彼の独特な世界に放り込まれる。そこで大事なのは、観客もまずルールに従い、受け入れてみること。そこにはユートピアとは逆のディストピアの系譜が流れている。近い未来なのか遠い未来なのか、国家が市民にルールを押しつけ、市民はそれに従っている。それに従っている者は “街”で普通に暮らしている。そしてひと度“独身者”になると、ホテルという矯正施設へ 連行されるのだ。そのパートナー教育では、相方がいることがいかに有益かを刷り込まれる。観客は主人公と同じように戸惑いながら矛盾を経験する。だが忘れてはいけないのは本作が実はコメディであるということ。そこには監督同様、表情を変えない“笑い”が眠っている。
2016/04/16 リンク