第21話。浪高し。9. 宴会 - ID物語

(その旅館には、10分ほどで着いた。何と、町議会議員の主なメンバーと助役と、商工会議所のお偉いさんが来ているのだと。重々、失礼のないように、と念を押されてしまった。) 原田。ほら、言わないこっちゃない。たしかに面白いけど。 鈴鹿。ケイマ、乗ってきたわね。 進歩。始めまして、私は進歩一(しんぽ はじめ)。この旅館の社長です。あなたが、私の息子を救助してくださった。 鈴鹿。この男です。 芦屋。芦屋虎之介。Y国にあるID社本部所属。今は調査旅行中です。 原田。虎之介は実働部隊。いつもこんな感じです。失礼に思われたなら、申し訳ありません。 進歩。いやいや、頼もしそうな感じだ。いいぞ。さすがに屈指の多国籍企業、ID社。いい人材だ。 原田。お褒めにあずかって、光栄です。 進歩。さあ、こんなところでも何だ。旅館に入ってください。 (何でかしらぬが、役所の担当者に連れられて旅館の大広間にやってくる。) 鈴

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... どうせ、エロ落語かなんかよ。下品な笑いが聞けるだけ。 芦屋。経験あるな。 原田。おかげさまで、何度か。 芦屋。女性職員もいる。セクハラにならないのか。 原田。なるけど、このど田舎ではどうしようもない。 芦