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ある男がいた。彼は、凡百の人間が長い鍛錬と研鑽を重ねてようやく到達する高みに、一足飛びに駆け登る... ある男がいた。彼は、凡百の人間が長い鍛錬と研鑽を重ねてようやく到達する高みに、一足飛びに駆け登ることができるような男だった。つまり、彼は天才だった。そんな彼を多くの人は羨む。そして、そんな羨みは、いずれ不平不満に変わるだろう。なぜならそれはある種の不公平だからである。 なぜ、彼だけが特別な天才であり我々はそうではないのか?なぜ普通の人ならば要求されるだろうほどの対価もなしに、天才は結果の果実を手に入れることができるのか?人間が平等であるならば、それはおかしな話だ。普通の人々が100の労力をかけて手に入れる能力を、彼はたったの1の労力で手に入れてしまう。誰にも100円で品物を売っているお店が、彼にだけ1円で売っていればそれは不公平だろう。人間は平等であるべきという考えは、そんな不平等さを是正しようとする。 結果として、彼は天才であるがゆえに、天才ではない人々によって足を引っ張られることになる
2016/04/26 リンク