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群青の子|でんぷん
じゅりあんが目を閉じると、まぶたの内側に色とりどりの魚の群れが現れる。楽しそうに海の中を跳ね回る... じゅりあんが目を閉じると、まぶたの内側に色とりどりの魚の群れが現れる。楽しそうに海の中を跳ね回る数万匹もの魚たちを遠巻きに見ている1匹がじゅりあんだ。魚影を掴まえるように筆を振るう。きらきらと色を変える魚魚魚魚魚を追いかける追いかける追いかける追いかける追いかけるあかあかあかあかだいだいむらさきあおおおおおおおおきみどりゆうぐれ。 海面のはるか上の方から呼ばれた気がして、イルカが息継ぎをするように目を開ける。振り向くと呆れ顔の母親が立っている。 じゅりあんは口がきけない。少なくとも周りの大人はそう思っている。だからじゅりあんが何かをするたびに、母親の中に住んでいる魚が不安と期待半々の色に変わるのだ。海の魚たちはあんなに色とりどりなのに、母親も、先生も、大人たちの飼っている魚はいつも鰯の腹のように身構えている。 「ふみおくん。入ってもらうで」 その後ろからじゅりあんと同じくらいの背丈の少年が