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早大闘争の記憶―当事者取材から見えるものは― | Wasegg
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早大闘争の記憶―当事者取材から見えるものは― | Wasegg
プロローグ ヘルメットをかぶり、角材を肩に担いだ人々が野太い声を上げながら、見覚えのある建物の前を... プロローグ ヘルメットをかぶり、角材を肩に担いだ人々が野太い声を上げながら、見覚えのある建物の前を足早に歩いていく――。大学3年の夏休みに映画で見た、『ノルウェイの森』。デモ隊が行進するワンシーンは早稲田大学のキャンパス内で撮影されていた。当時の私の目に学生運動は自分と全く無関係の出来事として映ったし、私が通っている早稲田大学で運動が展開されていたことさえ知らなかった。ましてや、それから約一年後に、運動に携わっていた当事者たちに話を聞いて回っていることなど、頭の片隅にもなかったのだ。 私が早稲田の学生運動(以下早大闘争)に対して関心を抱くようになったきっかけは、3年生の秋に受講した日本文学史という授業での、田部知季教授の一言にあった。 「私たちが学ぶ早稲田でも過去に学生運動ってあったんですよ。この手の話ができる当時の人もだんだん減ってきているから、聞ける人は今のうちに聞いておいても良いんじ