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貨幣論のルーマン 春日淳一 著
人々は何のためにお金を持ち歩くのか。それはありうべき支払いに備えてだ。もし支払う相手がいなかった... 人々は何のためにお金を持ち歩くのか。それはありうべき支払いに備えてだ。もし支払う相手がいなかったら、貨幣などモノにすぎない。ルーマンに導かれつつ本書は、「支払い」というコミュニケーションを媒介するメディアとしての貨幣と、道徳や言語、労働など他のメディアとの協働を描き、わたしたちの複雑な社会の経済が、明日も同様に営まれうるのはなぜかを明らかにする。経済の根拠を貨幣への信頼にみる、『社会の経済』(文眞堂、1988年)の訳者が、ですます調で説く最良のルーマン社会システム理論入門。ミクロ経済学との違いにも言及する。 まえがき 第1章 コミュニケーションのシステムとしての社会の経済 1-1 コミュニケーション・メディアとしての貨幣 1-2 社会の部分システムとしての経済 1-3 経済のオートポイエシス 第2章 貨幣の一般化 2-1 象徴的一般化の三つの次元 2-2 貨幣の悪魔的一般化 2-3 貨幣と