石室に小型の土器セット 奈良・明日香村の阿部山遺跡群 - MSN産経ニュース

奈良県明日香村の阿部山遺跡群で、６世紀中ごろ〜後半とみられる方墳の横穴式石室から、かまどや鍋、釜を模したミニチュアの土器セットが見つかり、同村教育委員会が１７日、発表した。 ミニチュアの土器は渡来系氏族の墓から発掘される例が多く、村教委は「大和政権を支えた大陸系の大豪族で、この一帯に勢力を誇った東漢氏（やまとのあやうじ）の有力者が葬られたのだろう」としている。 ミニチュアの土器は素焼きで、ほぼ無傷。これらの道具は当時、炊飯用として使われていたとみられ、重ねると高さ約２５センチ、幅約１８センチになる。ほかに鉄製の馬具なども発掘された。 石室は後世に大半の石材が抜き取られ、原形をとどめていなかった。鉄くぎが残っていたことから、被葬者は木棺で葬られたとみられている。