朝日新聞デジタル：ネットの「集合知」、政治への応用は尚早 西垣通氏 - テック＆サイエンス

「ネットの可能性を否定したくはないが、文化としてはまだ未熟」と語る西垣通・東京経済大教授＝東京都中央区 【織井優佳】参院選で、インターネットの選挙運動が解禁された。ネットで政治が話題になることも増えそうだ。しかし、近著『集合知とは何か』（中公新書）でネット上での知の構築のあり方を考察した東京経済大の西垣通教授は、性急にネットを政治的議論の場にするのは危険が大きいと考える。 原発事故などで専門家への信頼が揺らいだ今、既存の権威や利害関係と無縁の素人集団が知恵を持ち寄る集合知に期待が高まっていると西垣さんは言う。一つひとつは断片的な知識でも、ネットで数多く集成すれば正解に近づくからだ。 ネット上の共同作業が非常に有効なのは、正解がある場合だという。例えば１９９９年、チェス世界王者に７５カ国５万人の素人チームが善戦した。チームはネット会議室で提案された多様な手を１日がかりで検討。１５歳の少

[SasakiTakahiro]

「ネットの可能性を否定したくはないが、文化としてはまだ未熟」と。