矢巾町の県林業技術センターは、高級キノコとして知られるアミガサタケの人工栽培に成功した。屋外栽培で今春初めて地上から子実体が顔を出したのを確認し、安定的な生産へ期待を膨らませている。国内で流通しているのはほとんどが輸入物のため、将来的に県内で栽培を推進し、生産者らの収入向上や地域振興につなげたい考えだ。 同センターによると、アミガサタケはフランス料理や中華料理などで使われる香り高い高級食材で、県内でもレストランなどで使われ始めている。春先から初夏にかけて民家付近など身近な場所に発生するキノコで、黒色型と黄色型に大別され、全体では数十種類あると考えられている。 同センターは2018~19年にかけ、国内93カ所から277本のキノコを収集。この中から菌糸を分離し、岩手生物工学研究センターの協力を得てDNA解析を行い、中国の栽培種に近い菌株を選定し、候補株の栽培試験を行った。 同センターの敷地内の