キヤノンの田中稔三副社長は31日の決算発表の記者会見で、東芝が分社化する半導体事業への出資について「現状では難しい」と述べた。御手洗冨士夫会長は共同通信のインタビューで「前向きに検討する」と明言したが、他に投資する案件を多数抱えており、資産査定の時間も足りないことから見送る方向だ。 半導体製造装置を手掛ける東京エレクトロンも出資が取りざたされたが、同日の決算会見で堀哲朗専務執行役員は「検討はしていない」と否定した。これで東芝の半導体事業への出資は、米ハードディスク大手ウエスタン・デジタルや、外資系の投資ファンドを軸に調整が続く見通しとなった。